うさるの厨二病な読書日記

生涯中二の着ぐるみが、本や漫画、ドラマなどについて好きも嫌いも全力で語ります。【ネタバレ前提です。注意してください】

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あなたの書いた記事が、どこの誰に読まれるかは選べない。

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タイトルを見たとき「釣り記事かな」と思った。

釣り記事(炎上狙い)の特徴は色々とあると思うが、ひとつは主語を大きくして特定の属性をネガティブに言及している(と思わせる)タイトルをつけるというものがある。

炎上狙いのようなタイトルだな、と思ったが、内容を読んでみたら意外と「なるほど」と思うことが書いてあった。

詳細については色々と異論もあると思うし、主語が大きすぎるという問題があるとは思うが、その辺りはおいておく。

恐らくこの記事の主旨は、

これは女性自身が人生の主導権を握るということです。そして人生の悩みを解決するために重要な態度でもあります。なぜなら、多くの女性の悩みは受動的な態度が原因だからです。

自分はそんなつもりじゃなかったのに、相手がこういうことをしてきた、などの被害者意識は、自分で自分を守る責任を放棄しているから起こること。

たとえ、「待つ」ということに対しても、能動的に自ら考えアクションを起こしていくことで、被害者意識は消え、すべての行動を自己責任と捉えることができるようになります。

物事を自己責任と捉えることができるから、自分で問題を解決する方法が見つかるのです。いつまでも、相手が悪いと思っていても、相手を変えることはできないわけで、そのような考え方でいたら一生悩みは消えません。

                            (強調は筆者)

この部分なのだと思う。これは女性に対する「相手になぜ変わらないのか、と言うよりも、自分の考え方を変えたほうが上手くいく」「それが自分の人生の主導権を自分で握ることではないか」という助言の記事だ。

もちろんすべての女性がそうだとは言わないが、こういう悩みは女性のほうが持ちやすいと思う。なので上記の文については賛成だ。

 

主旨だけを述べると反発を喰らいそうな記事の場合、まずは意見を聞いてもらいたい相手(この記事の場合は女性)に耳を傾けてもらわないといけない。

相手をやりこめることが目的ではなく、自分の意見を聞き入れて欲しいと思ったら、まずは相手に共感したり、共感を求めることが大事だと思う。相手に信頼してもらわなければ、耳に痛い意見というのは聞き入れてもらえないことのほうが多い。(後述するが、この記事はその点失敗している。)

 

ネットで特定の層に共感してもらい、自分の意見を傾けてもらう方法として、

「男って本当しょーもないよね。頭にくることたくさんある。でも、まあ5歳児だと思えば、そんなに腹も立たなくない? いいところだってあるし。二人で仲良く上手くやっていくために、こういうところを変えていこうよ」

という前提を語り、

「どんなに相手が悪いと思っても他人は変えられないから、自分を変えよう」ということを訴えているのだと思う。

特定の層の共感を得るためには、その層と相対する層を落とす方法が比較的楽だからだ。

 

記事の中でも「5歳児」という言葉を連発しているので、読んで頭にくる人もいるだろう。自分も読んでいていい気分ではなかった。

男性ライターが「女はみんな5歳児と思え。そう扱え」と書いたら、多くの女性が反発すると思う。

なのでこの記事を読んだ男性が「不快さを感じた」「なんだこの記事は」「主語デカすぎ」「女はみんな5歳児と思えと言われたら、どういう気分がするか?」というコメントをしても仕方がないと思う。

 

この記事の掲載元のDRESSのページを見ると

「働く女の貯金のルール。忙しくて…を言い訳にしない」

「おしゃれでかわいい! ワインカクテルのレシピ」

「理想のまつげになれる。美ボリュームが叶うレブロンの新作マスカラ」

などのラインナップが並んでおり、女性……恐らくは二十代三十代の働く女性をターゲットにした媒体と推測できる。

 

だからと言って制限なしで公開している以上、自分が読んで欲しい層だけが読むとは限らない。

拡散されればどこの誰が読むかは分からないし、「書き手が想定していない層が読んだ」としてもそれは読む側の責任ではない。

公開されている記事に対して、読んだ人が自分の意見を述べる自由はある。

この記事は、女性でも不快感を感じる人がいると思うし、特定の層が不快感を感じることが十分想定できる記事を公開することに非常に疑問を感じた。

 

以上は自分が読み手側に立ったときの感想だ。

ただ一方で、自分が書き手側に立ったときに、これはかなり悩む問題だと思った。

自分はこの記事と同じ主旨の記事を、過去に二回見たことがある。

 

「一般的に男性は「パートナーシップ(というよりは、人間関係)の維持」という事柄に関心が薄いので、女性のほうが不満を持ちやすい。人間関係は善悪ではないので、『相手が悪いのに相手が変わってくれない』と言っても仕方がない。相手を責めるよりも自分の考え方を変えるほうが、現実的だし上手くいく。言わないと察してくれない、と嘆くより、察してもらうような言い方を考えるほうがいい。そういう努力すら疲れたのであれば、そのパートナーとの関係性を解消する自由もある」

 

ひとつは女性が主催している恋愛相談のブログ。

もうひとつは男性が書いた夫婦のもめ事に対する記事。

具体例や詳細は違うし、もちろん言い方も違うが、言わんとしていることは同じだ。

前者は幅広い年齢層の女性から共感の声が寄せられていたが、後者は猛反発を喰らっていた。

自分はこの二者は根本的にはまったく同じことを言っていると思ったので、その反応の落差に驚いた。

特定の層に対してその層に属していない人が物申すというのは、難しいことなのかもしれないと痛感した。

また言い方の問題として、まずは相手に対して「その気持ちもわかる」という姿勢を見せるなど、なるべく相手が耳を傾けやすいようにしなければならない、と思う。ただその姿勢の見せ方を間違えば、今回の元記事のように、主旨とは関係ない箇所で読み手に不快感を与えてしまう。

 

自分が本当に主張したいこと、記事の主旨(目的)が特定の層をネガティブに言及するものであれば、それは仕方ないと思う。批判も来ると思うが、その批判も覚悟の上でそれでもなお意見を言うことを選んだのだろうから。

ただ、「意見を特定の層に聞いてもらうための方法論」として、その記事の目的でもないのに、どこかの層を故意に落とすような言い方をすることは賛成できない。

「そういう人が読むとは思わなかった」

は、読者層を限定せずに公開した以上、言い訳にしかならない。

 

自分も意見を言うときは「どうしたら、自分の意見をなるべく多くの人に理解してもらえるか」ということに悩むし、自分の言わんとしていることを理解してもらえなくて残念に思うこともある。

伝え方は難しい。試行錯誤の連続だ。

 

ただ「自分は言いたいことを言うだけ。聞き手のことは知らない」「この層に聞いてもらえればいいから、他の層の人が勝手に読んでどう思ってもそれは知らない」という姿勢で書かれた記事は、主旨とは関係ない点が取りざたされることが多い気がする。

元記事を読んで、そういうのは書き手も読み手も何ひとつ得をしないなと思った。

言いにくいことの上手な伝え方

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「自分の人生は自分で決め、自分で責任を取り、自分でコントロールできる力を持とう」「相手次第の行動、人生で、嘆くだけにならないように自分の人生を主体的に生きよう」

元記事もそういうことが言いたかったのだと思う。……たぶん。

 

パートナーシップについての個人的な意見。

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