うさるの厨二病な読書日記

生涯中二の着ぐるみが、本や漫画、ドラマなどについて好きも嫌いも全力で語ります。【ネタバレ前提です。注意してください】

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人生の不公平さを、ファイナルファンタジーⅣのカインから学んだ。

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先日道を歩いていて、突然「そういえば、ファイナルファンタジーⅣ(以下FFⅣ)のカインってひどい扱いだったよなあ」と思い出した。

 

初めてFFⅣをプレイしたのは子供のときだ。

自分はカインにすごく感情移入していて、「世の中って理不尽だなあ」と子供心に感じていた。「ファイアーエムブレム聖戦の系譜」のアルヴィスもだいぶ酷かったけれど。

自分には、主人公が英雄として自己実現するための踏み台のようなキャラに感情移入してしまうクセがある。

 

未プレイの人のためにカインについて説明すると、カインはバロンという国の竜騎士だ。主人公の暗黒騎士セシルとは親友同士。

幼なじみのローザが好きなんだけれど、ローザはセシルのことが好き。

セシルへの嫉妬心が抑えきれず、それを利用されてゴルベーザに洗脳されて、一時期敵になる。

洗脳が解けたどさくさに紛れてローザに告白するも、ローザは特に返事もせず、セシルとラブシーン。

カインを洗脳していたゴルベーザは実はゼロムスに洗脳されており、しかもセシルの実の兄セオドールだった。

「洗脳されて味方と敵対する」役割にまで、「主人公の実の兄」という上位互換がいる。むしろ洗脳されている奴にさらに洗脳される、という訳のわからなさ。

 

ゴルベーザが「いいですとも」と言っていなくなったので、最終決戦のパーティーには入れた。

ああよかった、そりゃあ主人公の親友だし、地球人の意地?もある。

「いよいよクリアかあ」と感慨にふける自分に、先にクリアした兄ちゃんが、ラスボスゼロムスの攻略方法を教えてくれた。

「簡単簡単。セシル、ずっと攻撃。エッジ、ずっと投げる。ローザ、ずっとケアルガ。MPがなくなったらエリクサー。リディア、ずっとバハムート。リディアは体力が少ないから気をつけたほうがいい」

「カインは?」

「カイン? ずっと死んでいる」

 

……え???

 

「生き返らさなくていいよ。いなくても勝てるし、MPとターンがもったいない」

 

……ええええ???? 

 

ひどい。いるだけ無駄。いても何の役にも立たない。生き返らせるのもMPの無駄。死んでいてくれていい。

 

その通りにやってクリアできちゃったが。

 

そしてクリア後、セシルとローザが結婚して、何故かセシルがバロンの国王になる。この辺り、なんでセシルが国王になったのかは覚えていない。

住民に望まれたのか。(調べた)人望アツクテイイデスネ。

とにかくセシルがローザとキャハハフフフやっているのに、カインが一人で試練の山にたたずむ姿が気の毒で仕方がなかった。

 

「物語内の不公平さ」というよりは、「物語の都合による不公平な扱い」が気になる。前者なら物語世界でもっと貧しくて苦しい人がいると思うが、そういう人は物語内の主筋に出てこない。

「こんなに苦しむほどローザが好きなカインかわいそう」ではなく、「嫉妬して洗脳されるくらい好きなの? ローザのことが?? どこがいいんだろう??」という疑問しかわかない点が、カインの気の毒なところだと思う。

カインのキャラとしての重要な要素は「ローザへの片思い」に起因しているのに、肝心のローザが記号みたいな魅力のないキャラなので、敵に洗脳されるくらいの嫉妬心も悲劇に回収されることなく、物語の都合にしか見えない。

せめて1エピソードくらい入れてあげられなかったのだろうか。

 

ドラクエⅤでは「ビアンカか、フローラか」FFⅦでは「エアリスか、ティファか(ユフィか)」に分かれるけど、ローザが好きという人は見たことがない。

好き嫌い以前に、空気のような扱いの気がする。リディアが好きという人は、よくいるけれど。(好きな人がいたらすまない……でもどこが好きか聞きたい)

ところでローザは洗脳できなかったのだろうか?? そのほうが絶対効果的だったと思うけれど。

まあ、ローザのことはいいや。

 

結局、なぜローザではなくカインが洗脳されたのか、というのも「カインの心の弱さ」に回収される入念ぶり。だからカインは自分を責めて、試練の山に行く。

セシルとローザはカインに罪悪感を抱くこともなく、めでたしめでたし。

 

カイン一人がモヤモヤして丸く収まる。

こういう物語上の扱いを見て、子供ながら人生の不公平さにしみじみと思いを馳せた。

ずっと片思いしてきた幼なじみに何も言えないうちに、後からきた奴にかっさらわれて、理不尽だと思いつつも嫉妬する気持ちや、それに付け込まれて洗脳される心の弱さや親友だとしてもどこかで相手を憎む気持ちが、自分には分かる。

自分は、そういう「弱い心」を持っている人のほうがずっと好きだ。

損な役回りも、不公平な運命も、特に文句も言わずに引き受けているカインが昔から好きだった。

逆にFFTのラムザみたいなやつを見ていると、無駄に足を引っかけたくなる。そういうところがダメなのか。

 

 「月の帰還」や追加ダンジョンは未プレイなんだけれど、ちゃんと決着がついているのだろうか。

ここまで書いておいてなんだけれど、FFⅣで一番好きなのはゴルベーザだ。

 

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