その生きざまを尊敬している、二次元の男性キャラクター五選です。
受験や就職活動の面接などでよく聞かれる「尊敬している人は?」という質問、答えに悩みませんか。
そんなことを言われば、世の中の人には誰だって尊敬すべきところはあるし、誰だって「ちょっとなあ」と思うところはあります。
だから、世の中を人をほとんど尊敬していると言えばいえるし、誰も尊敬していないと言えば、誰も尊敬していない。
「尊敬している」と言い切れるほど、その人の深いところを知っている人なんて(親も含めて)誰もいないし……。
そんな頭でっかちなことを考えがちな自分ですが、二次元でよければ、尊敬している人がけっこういます。
今日は、その生きざまを掛け値なく尊敬している男性キャラを五人紹介したいと思います。
第5位 利根川幸雄(賭博黙示録カイジなど)
「賭博黙示録カイジ」や「中間管理職トネガワ」などでお馴染みの、帝愛グループの中間管理職利根川さんです。
高度成長期の働くお父さん像の代表だと思います。
カイジたちに対して厳しいことを言ったり、現実をつきつけたりします。
もちろん本当のお父さんとは違って、カイジたちのことなど微塵も思いやっているわけではありません。
利根川というのは、現実逃避型ニートのカイジにとっては乗り越えるべき壁なのだと思います。
(引用元:福本伸行「賭博黙示録カイジ」)
(引用元:福本伸行「賭博黙示録カイジ」)
有名なこのセリフも、偽悪的だけれども、現代社会の真理をついていると思います。
ついているんだけれども、耳に痛いこの真理をわざわざ「言ってあげる」ことで、それだけが真理じゃないということを、逆説的に語っているのだと思います。
自分は、福本漫画のそういうところが、たまらなく好きです。
「中間管理職トネガワ」を見ると、今の日本は、こうやって上だけを見て働いた人たちが作り上げたものなんだなと思います。
「今の日本」がいいか悪いかはまったく別にしても、そのがんばりにはやはり頭が下がります。
(引用元:福本伸行「賭博黙示録カイジ」)
社畜と呼ばれて、家族には「家族を犠牲にした」と言われても働き続けて、最後の最後が強制焼き土下座です。
利根川は高熱の上での焼き土下座を、強制されるのではなく自らの意思で行いました。
「俺に触るな」
「自分でやれば文句はないだろう」
利根川もタバコを吸いながら、鉄骨から落ちて死んでいく若者たちを、平然と見ていたのです。
勝負に負ければ、どんなひどい目に合わされても、命を失っても文句は言えない。
そういう世界で生きてきた利根川は、自分が敗者になっても、その生き方を貫きます。
他人にも厳しい生き方を強いるが、自分も逃げ出さず同じように厳しい生き方をしている、誇り高く仕事にすべてを捧げた男、それが利根川です。
利根川も兵藤会長も帝愛グループも、まとめて大好きになってしまう本。
第4位 モズグス(「ベルセルク」)
(引用元:三浦健太郎「ベルセルク」)
「神は沈黙を尊ばれます」
四位は「ベルセルク」で一番好きなキャラクター、血の経典のモズグスです。
モズグスのいいところは、とても純粋なところです。
モズグスが信仰する宗教は、恐らくキリスト教をモデルにしていると思うのですが、キリスト教の元になったユダヤ教が
「原罪を持つ人間は、厳しい父なる神に罰せられなければならない」
という思想があります。
なので、自罰的行為や自傷行為というのは、
「罰っせられることは、人間全体の罪を背負い償うことができる」
という発想があるんですね。
そういう「厳格な父なる神」であるユダヤ教の神ヤハウェに対して、
「神様はそんなに、人間を罰し続けるような厳しいだけの存在じゃないよ。愛に満ちた存在なんだよ」
という教えを広めたのが、キリストです。
拷問は確かに残酷なことですが、
「自罰行為は、人類の原罪を背負い清める尊い行為。拷問は、それをやらせてあげること」
という思想なんですね。
だから、無実でありながら、すべての人の罪を背負って死んだキリストは偉大なのです。
この辺りは、日本の現代社会の価値観ではかると分かりにくい部分があると思います。
そんな思想を忘れ去って、ただ自分たちの権力欲のためだけに汚職をしたり、人を痛めつけたり、戦争を起こしたりした神職に対して、モズグスは自分自身も一日千回頂礼をしています。
これがすごいな、と思います。
どんなに楽しいことでも、毎日続けるのは大変です。
例えばブログ書くのでも、ジョンギングするのでも、始めるのは簡単ですが、続けることはとても大変だと思います。
「継続は力なり」「ローマは1日にしてならず」とは、よく言ったものです。
モズグスは、頂礼を毎日千回欠かさず続けています。(何年続けているのかは、忘れましたが。)
自分が痛みを受けたり、罰せられたりすることが信仰であると信じているからです。
特定の神さまを信じたことはありませんが、別に宗教でなくても、人間というのは自分が信じるもののために生きるのが一番いいのではないかと思います。
ジョブズが言っていたとおり、
「他人のドグマに従うのは時間の無駄。己の内なる声にだけ、耳を澄ませ」です。
ただ、モズグスは他人に自分の信念を押し付けるところが、ちょっとなあと思います。
その信念の強さに救われた人もいましたが、強烈な信念はどちらかというと人を傷つけがちな気がします。
「信仰とは、死ぬことと見つけたり」
いいセリフですけれど、やはり自分ひとりにとどめないとね、と個人的には思います。
第3位 ガフ・ガフガリオン(ファイナルファンタジータクティクス)
過去記事でも書きましたが、創作上の登場人物の中で五指に入るくらい好きです。(ゲームのキャラクターでは、たぶん一番好き。)
何よりも、ガフガリオンは、利根川やモズグスとは違い、己の腕一本で生きているところが好きです。
(引用元:http://blog.livedoor.jp/kamisamadq7/archives/5863791.html)
「請け負った仕事は、それがどんな内容でもやりとげる。それがプロってもんだ」
世の中の裏表を知り尽くし、酸いも甘いもかみわけて、
「誇りなんて、そんな役に立たないものは、とっくのとうに捨てた」
と言いながら、ダイスダークが弟のラムザも邪魔なら始末してもいい、と言うと、
「実の兄とは思えン台詞だな。胸くそが悪くなるぜ」
雲の上の立場のダイスダークにすら、こんな風に毒づく。
金のために何でもやるのに、どこか誇り高い性格をしています。
世間の倫理や法則とはまったく無縁の、自分独自の価値観で生きていて、しかもその価値観に絶対的に従うというところが好きです。
ガフ・ガフガリオンをよく表しているのが、オヴェリアを殺そうとしたときに、自分を責めるラムザに対して言い返したこのセリフだと思います。
「“しかし”って言うンじゃねぇ!」
「おまえは“現実”から 目を背け、逃げているだけの子供なンだよ!
「それがイヤなら自分の足で誰にも頼らずに歩けッ! 独りで生きてみせろッ!!」
「それができないうちはオレにでかい口をきくンじゃねぇッ!」
恵まれた立場にいるくせに、人にあーだこーだ言うラムザが大嫌いな主は、ガフガリオンのセリフにいつもスカッとしていました。
「自分の足で立っていない奴の言葉は、聞くに値しない」
ガフガリオンが言いたかったことは、そういうことだと思います。
第2位 赤木茂(「アカギ~闇に降りたった天才~」など)
同性視点であれば、一番大好きで一番尊敬している人。
赤木の恰好よさは、今更、わたくしごときが語るまでもないと思います。
赤木に対して一番共感を覚えるポイントは、
「自分が自分であること、が一番大切」
という点です。
お金よりも名誉よりも、愛よりも、理想よりも、「自分が自分であり続けること」がこの世で一番大切な人って、なかなかいないと思います。
だから、勝負に勝つ負けるよりも、
(引用元:福本伸行「天ー天和通りの快男児ー」)
これが、大切なんですよね。
まだ、鷲巣と麻雀しているのか……。
第1位 マニゴルド(聖闘士星矢 冥王神話)
二次元界で最もリスペクトしている赤木を抜いて、一位がこの人。
「聖闘士星矢」シリーズの蟹座は下衆という伝統を、見事に打ち破りました。
「言行不一致」という言葉は、たいていは言うことは偉そうなのに、行動が伴ってないという意味で使われますが、マニゴルドに限っては逆です。
言うことは冷めていて適当ですが、行動は情にあふれた熱い人間です。
「アルデバランが死んだのは、自分のせいだ」
と、自分を責める主人公・天馬に、登場早々こんなことを言います。
(引用元:手代木沙織「聖闘士星矢 冥王神話」)
蟹座らしく、悪役ばりのひどいセリフを吐くのですが、責任感があり、命令されたので主人公たちを保護します。
…。
…。
…。
すみません、画像を探していて、完全にマニゴルドに見入っていました。
ビジュアルは後輩のデスマスクに似ていますが、中身はまるで違います。
デスマスクと蟹座を馬鹿にしていたあの頃を、若干申し訳なく思うほどです。
デスマスクが使っていたときは、いかにも悪役っぽいだっせえ技だなと思っていた積尸気冥界波(せきしきめいかいは)も、マニゴルドが使うと何故か恰好よく見えます。
(引用元:手代木沙織「聖闘士星矢 冥王神話」)
かっこいい(・∀・)
一見、そういう人には見えないのですが、マニゴルドは「冥王軍」と戦うという自分の使命に対して、特に文句も言いませんし、疑問も口にしません。
冥王神話は黄金聖闘士がほぼ全滅する話なので、全員そうだと言えば(アスミタ以外)そうなのですが、他の黄金聖闘士は、真面目な性格なのでどこか悲壮感が漂います。
唯一、マニゴルドは、肩に力も入らずに変に悲愴にも真面目にもならずに、飄々としていながら、冥王軍と戦うという黄金聖闘士としての自分の使命を何ひとつ文句をいわずにきっちりとこなします。
「自分が選んだわけではないのに、自分のためでもないのに、なぜ死を賭して戦わなければならないのか」
そんな風に思わずに、
「自分に与えられた環境を受け入れる」
「自分に与えられた義務をしっかりとこなす」
「黄金聖闘士となって、命がけで戦う⇒結果、命を落とす」
という運命に、最後まで疑問を呈さずに、自分に与えられた運命として受け入れて戦って死んだというところが、すごく恰好いいなと思います。
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この五人は、どんな環境の中でも己の生き方を貫く、漢の中の漢です。
(モズグスは「漢」と呼んでいいのか分かりませんが。)
自分もぜひ、このスタンスを見習って生きていきたいと思います。
どうでしょうか?
「尊敬する人は?」と聞かれたときの参考になりそうでしょうか?
正直、そんな質問、するほうがどうかと思います。
帝愛グループの面接なら、そんな質問は絶対にされませんよ。
就職をお考えのさいは、ぜひ、帝愛グループにご連絡ください。
「中間管理職トネガワ」を読んだ限りでは、超絶ブラックですけれど。