NHK大河ドラマ真田丸第39回「歳月」の感想です。
前回第38回「昌幸」の感想はコチラ↓
九度山での暮らしを描くインターバル回
九度山での源次郎たちの暮らしぶりを描く、クライマックス前の、本筋とは関係ない息抜きとも言える回でした。
この一話で、しっかりした話になっているので、十分見ごたえがありました。
というより、もともと三谷さんってこういう一話完結型のお話しが上手い印象があります。休憩回なのに本領を発揮しています。
源三郎は凡人
前から言われていたことですが、源三郎は「つまらない人、凡人」ということが今回、改めて強調されています。これは大阪の陣で二人が袂を分かつための伏線として、改めて出したのでしょうね。
昌幸が残した兵法の書がまったく理解できない源三郎は、やはり戦時よりも平時の人なのでしょう。
源三郎のすごいところは、そういう自分も、父親や弟のには才能があるということもちゃんと認められるところです。「自分は凡人だ」って言いきれる人って、逆に非凡だと思います。
ただね、「不自由はさせん」って言って蕎麦ばかり送るところが、周りに「悪い人じゃないんだけどねえ~~」と思わせてしまうところなんだと思います。
源次郎なんて、すぐに蕎麦の中まであさっていたもんな。自分だったらその中に金子くらい入れておくよ、という発想の人なんでしょう。
ただ源次郎はそんな兄を心の底から尊敬して慕っているし、源三郎は弟が自分よりも才があることをちゃんと認めている。
真田兄弟は見ていて本当に気持ちがいいです。
真田の組みひも
ここでタカが出てくるとは思わなかったよ。
三谷さんって、こういうところが本当に上手いですよね。まったく不自然さがなく、話を動かすさまに惚れ惚れします。
で、このヒモを自分たちで直接売らず、村人に売らせてマージンとるところとか、源次郎の頭の良さが伝わってきますね。
この組みひもを一緒に作ることによって、キリと春が心を通わせ合います。
正に縦の糸はわたし~、横の糸はあなた~、二人で源次郎を支えていこうねという結論になりました。
キリは言いたいことをはっきり言うけれど、他人に対してだけではなく、自分に対しても誤魔化しがないところがいいですね。
「前は源次郎の子供が欲しいと思っていたこともあったけれど」
「今は、源次郎にとってはあなたが一番なんだから」
と自分に対してもはっきりしているところが好きです。
こういう人が相手だと、自分も本音が言いやすいですよね。源次郎はキリのそういうところがいいんだと思います。
一方で春の気持ちがよくわからない。
子供があんなに大きくなって、「お前が気にするならキリに暇を出そう」とまで言われても、あんなに嫉妬するものですかねえ。
で、嫉妬しているくせに「自分が追い出したみたいになるのはイヤだ」と。
じゃあ、嫉妬を表に出すのをやめろやと言いたいですね。
キリが自分より長い年月、源次郎と一緒にいるとか、源次郎が実はキリに一緒にいて欲しいと思っているとしても、それはもうどうしようもないことじゃん。
嫉妬しちゃうのは仕方ないけれど、それをあんなにあからさまに出すなんて、普通だったら嫌われますよ。
源次郎もキリも優しいからよかったけれど。
いよいよ次回から最終章
今回は主要登場人物はお休みの人が多かったですが、次回からいよいよ最終章に入ります。
宇喜多秀家の部下が表れ、源次郎が大阪城に向かいます。
予告で出てきた家康は(ついでに阿茶の局も)だいぶ年をとりましたね。今度は自分が秀吉の立場になり、迫りくる老いと秀頼の成長に怯えるようになります。
大阪の陣から加わる新たな登場人物もいて、展開が楽しみです。
次回第40回は「幸村」です。題名聞いただけで鳥肌たつわ~~。
クライマックスを前にして、堺さんのインタビューが公式ホームぺージに載っていました。「劇団に例えると、大阪組は長く続きそうで、真田組はすぐに解散しそう」って面白いな。