①「ミシシッピー殺人事件」を子供のころ、どうしてもクリアできなかったので攻略ルートが見たい人。
②「ミシシッピー殺人事件」は知らないけれど、トライ&エラーの検証とその過程が大好きな人
③面白いゲーム実況動画が見たい人
①②③のどれかに当てはまる人は、この記事を読んでいないで早速動画視聴にGO! ①②③すべてに当てはまる人は、もちろんGO!
すごい! まさか伝説のクソゲーだと思っていた「ミシシッピ殺人事件」がこんなにも面白く見える日がこようとは。
「ミシシッピー殺人事件」の思い出
子どものころ、意味もわからず何十回も繰り返しプレイしていた懐かしいクソゲーム。攻略本も持っていたけれど(確か)書いてある通りにやっても話が進まず、途中までやってはそこで詰まって終わっていた。
・コルト入手
・コロンのしみたコットン入手
・フック入手→銃のグリップを取る
・鍵と宝石箱入手→デリンジャーと新聞記事入手
・弾丸入手→デリンジャーが凶器と判明
だいたいここまでで詰まっていた。
「ミシシッピー殺人事件」は、総当たり殺しとも言うべき、「同じことを二度聞けない」「メモは三つまでしかとれない」などの厳しい制限がある。
攻略情報なしでクリアまでたどり着けるのかなと半信半疑で見始めた。
手製の攻略本と編集がすごい
女性の実況動画は初めてだったけれど、開始5分くらいたったころにはすっかり見入っていた。声が可愛く、聞いていて飽きない。
「始まりはいつも3号室」ではセーブができない「ミシシッピー殺人事件」を攻略するために、攻略本を作成している。これを動画内での説明で使用しているが、この攻略本がすごい。
人物やアイテムについての各自の証言がわかりやすくまとめられている。
お互いの発言の食い違いや、のちに発言が変わったことなどがわかりやすい。
(ニコニコ動画 「はじまりはいつも3号室」より)
人物ごとの個別メモ。入室時の挨拶のパターンや、特定の行動のあとのセリフの変化なども網羅されている。
(ニコニコ動画 「はじまりはいつも3号室」より)
デルタ・プリンセス号(名前忘れていた)全景。
(ニコニコ動画 「はじまりはいつも3号室」より)
「ミシシッピー殺人事件」は「世界のルール当て」のゲームであることを解き明かす。
ここまででも十分すごいけれど、圧巻なのはパート6の足を使った1ドットごとの捜査(まさに捜査)とパート7の証言の切り替えフラグを見つけるための検証だ。
「ミシシッピー殺人事件」は人物について二回聞くと「もういいました」と 言われ、それ以上話が進まなくなることが多い。
ある特定の条件をクリアするとフラグが立ち、「もういいましたロック」(byわかるさん)が解除される。
しかしこの条件がとてつもなく厳しい。何となくやってクリアできた人もいたようだが、この条件の内容はおろか、この条件の存在を知っている人はほとんどいないと思う。
自分が当時持っていた攻略本では、「ネルソンにヘレンの『宝石を船長に預けた』というメモを見せれば金庫が開けられるようになる」ということが書いてあったが、何度やっても金庫を開けられなかった。
この攻略本の制作者は、この「もう言いましたロック」の存在を知らなかったのだと思う。
「始まりはいつも3号室」では何回かミシシッピーの世界をループして、「もう言いましたロック」が外れたことを表すキーセリフが、カーターがヘンリーに「『船を止めろ』と言った」セリフであることに気づく。カーターのセリフが変化すれば、それ以降は全員のセリフが「第二証言」に変化する。
次にどうすればカーターのセリフが切り替わるのかを検証している。
(ニコニコ動画 「はじまりはいつも3号室」より)
「これは某作品の梨花がやっていたことでは」と気づいた。
「ミシシッピー殺人事件はゲーム内の探偵として推理をすると同時に、もうひとつ上の階層の世界の人間として何度もループして、この世界を支配するルールを探すゲームだった」とン十年経ってようやく気付いた。
梨花の出てくる某作品と次に出た作品を掛け合わせたような作りだったのだ。
滅茶苦茶面白そうだ。
動画を見ると「懐かしい」気持ちよりも、初めて見るゲームの攻略動画のようなわくわく感を感じる。自分がぜんぜん気づかなかった、こうも考えられるという推理、登場人物たちの思惑や現在進行形で進んでいく人間関係が隠されていた。
「何で船に落とし穴があるんだよ」などと突っ込むことだけが楽しみだと思っていた「ミシシッピー殺人事件」が滅茶苦茶面白く見え、「このゲームをやりたい」と思ってしまう。
動画の中でわかるさんが「よくできたゲーム」という感想をもらすのだが、この動画を見ているとそう思う。
プレイヤーによっては、ここまで面白くなるゲームだったのか。
「ミシシッピー殺人事件」の面白さを教えてくれたわかるさんには、感謝しかない。
実況主「わかる」さんの魅力
「始まりはいつも3号室」が「ミシシッピー殺人事件」をここまで魅力的に見せ、観だしたら止まらない面白さを持つのは、実況主のわかるさんの力量が大きい。
世間でクソゲーと言われているゲームをプレイするとき、操作性やゲームバランスがどれだけ理不尽かなどがネタにされることが多い。(それはそれで面白いが。)ミシシッピー殺人事件の発売は1986年。今のゲームに慣れている人がプレイしたら、苦行としか思えないと思う。
しかしわかるさんは動画の面白さを、「ゲームのクソさ」に頼らない。
会話内容には突っ込みを入れても、ゲームそのものにはほとんど何も言わない。セーブができないことにすら(がっかりはしても)文句を言わず、プレイを続ける。
むしろ「よくできている」「面白い」とほめてばかりいる。「ミシシッピー殺人事件」の世界観に没頭して、楽しんでしかも真剣にプレイしている。
編集技術も高い。丁寧でわかりやすく、物語の筋も思考の過程も追いやすい。見ていて飽きない。
攻略本として発売されたら欲しい。2冊買って1冊は自分の手元において、1冊は子供のころの自分にプレゼントしたい。(ループ脳)
自分が一番魅力を感じたのは、可愛い声や癒し系の雰囲気からは想像もつかない驚異的なストイックさと緻密さだ。
パート6のローラー作戦やパート7のルート検証はそれをやっただけで圧巻だ。
そういう風に細かい捜査や検証を続けているので、動画投稿は時間が空いている。
パート1の投稿は2017年9月22日で、現在パート9まで投稿されている。(残り2パート)普通ならばこれだけ時間が経てば飽きてやめてしまったり、「見てくれる人が少ないかも」と思ってあきらめてしまいそうだが、2年近くかけて9まで投稿している。
淡々とひたすら己の道を追求する修行僧のようなストイックさだ。
「ミシシッピー殺人事件」を知っている人はもちろん、まったく知らない人も夢中になる動画だと思う。すでにたくさんの人に愛されている動画だと思うけれど、ぜひさらに多くの人に見て欲しい。
残り2パートが解決編かな。滅茶苦茶楽しみだ。
(追記)
2019年9月9日に、完結まで見ました。お疲れ様です。888888888。
オチ、笑ったw