うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

「星の巡礼」感想 サンティアゴ巡礼に行きたくなる。

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先日、「サンティアゴ巡礼」を特集したドキュメンタリーを見た。

フランスからピレネー山脈を越えて、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂まで徒歩で巡礼する。

距離や地図だけを見ると「大丈夫か」と思うような道のりだが、現在はツアーも組まれ、大勢の人が参加する人気の巡礼路らしい。

番組でも世界各国から参加者がいて、大勢の人が同じルートを歩くので、マラソンのような風景になっていた。

巡礼者専用の宿坊でイベントが行われていたり、途中の町で伝統の祭りが見られたり、最後まで歩きとおすと証明書が発行してもらえたり楽しそうだ。

街あり山道あり畑ありと風景もバラエティに富んでいて、最初は本当に歩けるのかという懐疑的に見ていたが、だんだん自分も参加したくなってくる。

 

その中に「父親と一緒に巡礼路を最後まで歩きたい」と言うブラジル人の医師が出てくる。

この人がサンティアゴ巡礼に興味を持つきっかけとなった本が、パウロ・コエーリョの「星の巡礼」だ。

星の巡礼 (角川文庫)

星の巡礼 (角川文庫)

 

 

「星の巡礼」は創作ではなく、作者が実際にサンティアゴ巡礼路を歩いたときの体験記だ。

著者はキリスト教系の秘密結社・RAM教団の修行の一環として、自らの剣を探すためにガイドのペトラスの指導の下、サンティアゴ巡礼路を歩く。

「星の巡礼」の内容は、作者の修行による変革や悟りの経緯が主要なテーマで、自分が期待したような旅行記ではなかった。

 

期待したものとは違ったので少し物足りなかったが、「修行」の内容に興味がある人には面白い内容だと思う。

作者は道すがら、自己変革のために様々な実習をペトラスから学び実行する。普段実行して心身を整えるにはいいかもしれない、と思うものが多かった。

出発時は残してきた仕事のことばかりを気にしていた作者が、巡礼が進むにつれて修行意外のことが自然と気にならなくなり、人生とは何なのか自分とは何なのかを見つめなおす。

剣を見つけ出すことではなく、それこそが巡礼の意味だと悟っていく。

 

ドキュメンタリーの中でも、巡礼路を歩くことで人生が変わったというカナダのレストランオーナーや、全行程を歩ききることで自信をつけたいという台湾の学生が出てきた。世界中の色々な年齢の、色々な立場の人が参加していて、目的も様々だ。

歩いているうちに自然と協力し合ったり、宿で一緒にイベントを楽しんだりする。

いいなあ。行ってみたい。