うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

【ゲーム感想】「返校」は、台湾の歴史や文化に興味が持てる良質なホラーゲームだった。

【スポンサーリンク】

 

Steamで世界第三位の売上になり、大きな話題となった台湾製ホラーゲーム「返校」をクリアした。

プレイ時間は4時間程度と短めだ。

 

自分が好きなタイプの怖さ「自分をとりまく世界が不穏でよくわからない」だったので、プレイしていて楽しかった。

「ジャケ写の雰囲気がいいな」と思った人は、買って損はないと思う。1300円程度で購入できるし。主人公のレイは、最初に見たときすごい可愛いなと思った。好み。

操作性はもっさりしていて、話は一本道、謎解きもそれほど難しくないので、「ゲーム」を求める人にはおススメしない。

「バイオハザード」のような爽快感、「SIREN」のようなゲーム性やパズル的な要素はほぼない。

 

途中で「サイレントヒル2 最期の詩(*ネタバレ反転)パターンかな」と思ったら、そうだった。

ゲーム性、ストーリーすべて(ネタバレ)のほうが上なので、比べると「どうかな?」という評価になってしまう。このパターンが好きで飽きない、もしくは初めてという人なら楽しくプレイできると思う。

自分は(ネタバレ)はマジ泣きしているので、「返校」もジーンときた。

台湾の歴史が深く関わってくるストーリーで、その点も良かった。

欲を言えば、もう少し歴史や民俗学的なほうに寄せたストーリーのほうが好みだけれど、クリアしたあと、調べてみようかなという気持ちになった。

 

以下はネタバレストーリーまとめ&感想なので、未プレイのかたは注意。

返校 -Detention-|オンラインコード版

返校 -Detention-|オンラインコード版

  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: Software Download
 

 

(ストーリーまとめ)

父母の不和、母親が父親を密告した、という家庭で孤独と絶望を感じていたレイは、教師のチャンとの恋愛だけが支えだった。

しかしチャンに冷たく突き放されるようになり、そのことを恨みに思い、チャンが共産主義思想に関わっている、と教官のバイに密告する。

チャンは同僚教師のインや生徒のウェイと共に、国家が禁じている本の読書会を開いており、レイを危険に巻き込まないためにわざと突き放していた。

レイの密告の結果、チャンは反逆罪で処刑され、ウェイは密告者の汚名を着せられたうえに十五年の禁固刑、インは亡命する。

レイは自責の念から自殺するが、成仏できず今も罪の意識の世界をさまよっている。

 

怖い話、というよりは悲しい話だった。

ストーリーを箇条書きにするとよくある話なんだけど、見せ方が上手いので、このパターンが好きな人は楽しく没頭できると思う。

戒厳令が敷かれていた時代の台湾が、こんな風だったとは知らなかった。

もしかしたら台湾の若い世代の人に、かつてこういう時代もあった、ということを感じてもらう意図もあったのかもしれない。

バッドエンドはレイの結末を追って、トゥルーエンドで真相を説明するという、二つ合わせて真エンドになっている作りもいい。

 

レイが年上だと知ったときにウェイが急に、しゃちこばった敬語になるところなど、雰囲気が出ている。個人的にちょっと萌えた。

精神世界だったパターンなら、もうちょっと人間関係を深掘りしたほうが良かったかなと思うが、値段相応に十分楽しめた。