noteで「エタる、エタらない」の話をしていたら、「グイン・サーガ」を思い出したので、これを機会に一気読みしようと思う。
本当は完結したら一気読みしようと思っていたのだけれど……こればかりは仕方がない。作者が一番残念だったと思うし。
とりあえず1巻から50巻までをまとめ買い。
kindle版で21,868円。
現在、既刊の147巻まで購入すると67,683円。1巻あたり460円。
個人的には「安いな」と思ってしまう。少なくとも44巻くらいまでは滅茶苦茶面白いし。
最初読んだときは「ちょっとかったるいな」と思っていた1巻も十分面白い。
辺境編はアムネリスが出てきてセムと共闘するまでは余り面白くない印象だったけれど、そんなことはなかった。
いま読むと、イシュトヴァーンとの出会いの場面は、リンダがいなくてレムスとグインと三人で出会うのも、ちゃんと考えてあったんだなと思う。
何故この構図のまま行ってくれなかったのか…。
イシュトヴァーンは最初のころは普通の男だった印象があったけれど、初登場からけっこうそのままだった。
「ルックバック」の話の時に少し出てきていた改訂の経緯も読んだ。
病名を出していたからここを変更しただけだと思う。旧版は記憶の中にしかないけれど、確か症状の描写はそのままだった。
改訂版の後書きは改訂するにあたっての経緯や作者の思いも書かれている。
「グイン・サーガ」は真性厨二だったときの自分に、「銀河英雄伝説」を始めとする田中作品と並ぶ影響を与えた小説だ。
当時、田中作品世界にどっぷり浸かっていた自分にとって、「グイン・サーガ」は驚きの連続だった。
田中作品ではとかく「駄目なこと」とされがちな、「正しくなさ」「性的奔放さ」「感情的な言動」「超常的なものへの畏れと憧れ」がこれでもか、というくらい生々しく描写されていたからだ。
イシュトヴァーンなんて、田中作品の世界に転生したら間違いなく「ただのイカれた悪党」だろう。
どちらがいいとかどちらが好きとかではなく、同時に触れられたことが凄く幸運だった、と今でも思う。
イシュトヴァーンを見るといつもロイエンタールのことを思い出す。
まったく似たところがないこの二人の共通点は、子供のときの自分が「何で、モテるのか?」がさっぱりわからなかったところにある。(両方嫌いだった。ファンの人すまん。今は嫌いではないです)
大人になって「ああ、確かにどっちも死ぬほどモテるだろうな」と思った。
リアルタイムで、自分の感覚や物の見方の変化の物差しになってくれていた、今もなってくれている、という意味でも、自分の読書歴を語る上で外せない作品のひとつだ。
一気読みしながら、ちょこちょこ感想を書いていきたい。