「九龍妖魔學園紀」を購入したまま忘れていた、とふと思い出した。
2004年に発売されたゲームだが、switchとPS4に移植されて評判も良い。
元々、アトラスの学園ジュヴナイルものが大好きだった。女神転生は「if」が一番好きだし、ペルソナも1が好きだった。
非日常的な危機と青春時代の日常や悩みが溶け合っているところがいい。
「九龍妖魔學園紀」は学園生活を送るADVパート、遺跡を巡る探索パートに分かれてる。
ADVパートで仲間と交流したり、アイテムを探したりして、探索パートをこなす。3Dダンジョンも大好きだ。
エリアを移動するたびにロードが入る、会話も移動ももっさりしている。
今の時代の基準では最適化されておらず不親切な造りで、令和にやるにはキツイ仕様だ。
だがこれくらいもっさりしていて、思考錯誤して操作やルールを覚える造りのほうが自分にはしっくりくる。ゲームの速度と自分の中の感覚が噛み合っている感じが懐かしい。
自分にとって、ゲームは元々これくらいのテンポでやるものだった。
「おっ、いいな」と思っていた取手が、選択ミスで仲間に出来ないようなので、最初からやり直す羽目になった。それすら何だか楽しい。
(©アークシステムワークス)
情報が全然なくて攻略を見ないでやったらすぐに詰まる、ということも昔はよくあった。
最近は時代の変化が早いせいか、ゲームに限らず、何事もベルトコンベアに乗せられて目の前のものを次々と消費しているような感覚になる時がある。
パッと見せられたものに、反射的に反応して次に行く。
同じ本や漫画を何度も読むこともなくなったし、ゲームはサッとクリアして終わり。そういうことが増えた。
「新しいものを素早く次々と吸収できるタイプ」の人ならいい。
だが自分はそうではない。咀嚼して吸収するにも、自分の中に染み通すにも、時間がかかる。
周りのペースを気にせず、自分が興味を持ったひとつの物事を飽きるまで集中して延々とやり続けることが好きだし、自分のペースを注意深く維持していないと混乱してしまう。
最近は色々なことに気を取られてそれが出来ず、自分でもどこか浮足立っているように感じる。
何かひとつでも自分のペースで進めているものがあると、日常の他のこともそのテンポを保ちやすい。
なので自分の中でメトロノームを刻むような役割を果たしてくれる、世界観が作り込まれていてじっくりゆっくり楽しめるゲームを探していた。
「九龍妖魔學園紀」ならそれが出来そうなので、自分の趣味に合うようだったら、ゲーム世界を時間をかけて骨までしゃぶるように楽しみたい。
書籍の攻略本も欲しい派なので買った。