急に「エルデンリング」がプレイしたくなって、また一からやっている。
今回は神秘ビルド・マレー家の跡継ぎ（偽）蟻棘レイピア使い、ソロ縛りでプレイ中。エレメールが倒せなくて、我が家（嘘）を取り返せない。
一周目をプレイし終えた段階でストーリーについてはこうだろうと考えたのだけれど、二周目をプレイしていてまた思いついたことがあるので頭を整理しながらまとめたい。
メインストーリーである「黄金律」の破壊と再生について
「エルデンリング」のメインストーリー（マリカ関連）は、破壊と再生を繰り返すことで黄金律をより完全にするという二本指の意思に沿う物語だ。
上記に書いた考えをざっくり説明すると、「エルデンリング」は「黄金律」という世界を形成するシステムを具現化したもので二本指はこの律の完成を目指している。
「力」や「混種」「竜」「死」などの不純物を外へはじくことで、律はより完璧になっていく。
だが「完璧」になってしまうと輪は循環することなく停滞してしまい、輪ではなくなってしまう。
そのために一度はじいたものを中に戻したり、完成が近くなった律をもう一度破壊したりする。
「より完全を目指し、常に動き続ける状態」が「黄金律」にとって最も理想的な状態なのだ。
マリカ＝ラダゴンは、この「常に律が動き続ける状態」を保つ「破壊と再生」という機能の二面性を表している。
二つの源流であるシーフラ河・エインセル河
井戸の底に眠るシーフラ河・エインセル河は、この世界の源流である。
「エルデンリング」の世界は、世界を形成する「律」が壊れているために別の次元の世界が「ありえた（ありうる）可能性」として同時に存在している。
時間軸が無茶苦茶だったり、同一人物の別の可能性が同時に具現化しているのはそのためだ。
「エルデンリング」の世界観は、この法則を前提にしないと理解することが難しい。
大いなる意思＝二本指が黄金律を生成する前の世界の、「ありえた二つの可能性」がシーフラ河・エインセル河という二つの源流である。
二本指が現れたのはシーフラ河のほうだ。
シーフラ河は「黄金律が生成された世界の時間軸」であり、一番深い根の底には死のルーンの苗床になったゴッドウィンとフォルサクスが眠っている。
宵眼の女王が「死のルーン」を預かっていた黄金律の世界では、莫大なルーンを持つ存在は死んだ後、還樹する。黄金樹に還元され根元に至ったルーンを蟻が溜め込み、卵として樹の根本に植えつけ、そこからまた人が生まれる。
これが黄金律の生命の連環システムである。
対してエインセル河は、二本指とは違う外なる神が招来し、朱い腐敗が生じた世界である。朱い腐敗に対して黄金律が無力なのは、別の可能性（世界）から生じたものだからだ。
エインセル河の源流はアズールが見た「暗黒」であり、シーフラ河とは源流から異なる。そこで形成される可能性がある律は「夜（星）の律」である。
「ノクスの民は偽りの夜空を戴き、永遠に待っている。王を。星の世紀、夜の王を」（ノクス僧の鎧）
神人であるラニは、黄金律とはまったく別の夜の律によって世界を生成して王になることができる。
二本指はラニが夜の王とならないように、ラダーンに星（運命）を砕かせ続けてきた。
ラニに「指殺し刃」を渡すと「レナの魔導士塔」の封印が解けるのは、「ラニが夜の王になる可能性が解放されたこと」を表す。
レナはラニの師匠である「雪魔女」の可能性が高い。
ただそもそも、ラニとレナ（雪魔女）は同一人物の別の可能性なのではないか。
ラニは雪魔女レナであったが、死の呪痕を刻まれた肉体を捨てた。人形ラニの肉体に入り、ラニとなった。
呪痕が刻まれた肉体は焼け爛れたが、そこに微かに残った二本指に従う意思がメリナなのではないか。
余り根拠はないが、考え方として「ラニとメリナは同一の人物の要素を共有しており、だからカーリアの書院にあった焼け爛れた遺体はラニであり、メリナでもあるのではないか」というよりも、「カーリアの書院にあった焼け爛れた遺体はラニであることも、メリナであることも示唆されているから、二人に何等かの同一性があると考えるしかない」という感じだ。
二人とも瞳が環百足で閉ざされている、メリナの閉ざされた目がラニと同じ色に見える、トレントを通してのつながりなど考えると、この二人は何かのつながりがあるのだと思う。
なぜミケラを取り合うのか。
モーグ、マレニア、しろがね人、ニジェールと、多くの人間がミケラを求めるのは何故なのか。
ミケラは神人であり、黄金律の内部にいながら別の律（世界）を生成できる可能性を持つからだ。
しろがね人のように黄金律からはじき出された存在は、別の世界の可能性である「ミケラの聖樹」を求める。
モーグは神人ではないため、世界＝モーグウィン王朝を作り王になるためには、神人を伴侶とするしかない。そのためにミケラをさらった。
モーグウィン王朝がシーフラ河から見えるのは、シーフラ河を源流とした別の可能性の世界だからだ。
マレニアも神人であるために、ラニのように独自の律によって世界を生成することができる。
しかしマレニアが作る世界は朱い腐敗に沈む世界だ。
だからマレニアは自らが王となることは拒否し、「ミケラの刃」でいることでミケラが生成した世界（聖樹）を守る。
ミケラの聖樹は、神人ミケラとその伴侶マレニアによって生成された世界なのだ。
世界の成り立ち・まとめ
「エルデンリング」の世界には、二つの源流（世界の大元）がある。
・シーフラ河→エルデの獣が訪れた→ノクローン→黄金律→マリカ＝ラダゴンが破壊と再生を繰り返して、より完全な律を目指す。
・エインセル河→アステールが訪れた→ノクステラ→夜の律（星の世紀）→二本指が夜の律を生成することが出来るラニの運命を封じるために、ラダーンの星砕きをさせていたため、顕在化していなかった。
・モーグ→黄金律の中にいながら、別の律を作るためにミケラをさらう。
・ミケラ→神人であり黄金律とは別の律による世界を作れる。マレニアの腐敗を治すために、黄金律から離脱し、ミケラの聖樹により世界を作る。
・マレニア→神人であり別の律により世界を作れるが、それは朱い腐敗に沈んだ世界のため、ミケラの伴侶？となりミケラの聖樹を生成する。
こういう作りではと思う。
考えても考えても発見がある深い世界観
フレーバーテキストを読み漁ってさんざん考えたと思ったのに、二周目をプレイするとまた新たな発見がある。
考えつくそうとしたら論文が書けそうだ。
時系列という抽象的な概念を地上と地下のつながりに置き換える、「世界線」を河に例えるなど、どうしたらこんな発想が出てくるのか。
凄い、という言葉しか出てこない。
この世界が一人の人間の頭の中で構築されたと思うと恐ろしい。
「我々は、思考の次元が低すぎる。もっと瞳が必要なのだ」とウィレーム学長に言われても、尤もだと思ってしまう。
続き。
