自分がブログを書くようになってから、他の人のブログを読む機会も格段に増えた。
自分が読み手になったときの書き手との距離感ってけっこう難しいなと思う。
この距離感も人それぞれだから、「自分がこう思っているからこう」「この人相手にはこうだったから、この人にもこう」というわけでもない。当たり前のことなんだけれど。
ブログの場合は書き手との距離が近いので、小説や漫画の感想を言うくらいの気持ちで応援したり感想を書いたりすると、それが書き手自身に強く作用してしまう場合もあるのかな、と最近考える。
小説や漫画などのコンテンツは、あくまで作品自体に対する感想ととらえられがちで、読み手と書き手の間に作品というクッションが入るイメージだけど、ブログだと読み手の反応が作者に直接作用しすぎるのかもしれない。
暴言や中傷や粘着は論外だけれど、自分としては「いいな」という意思表示であるスターやちょっとしたコメントも受け取り方によってはプレッシャーになってしまったり、期待の押しつけのように感じてしまう場合もあるのかな、と思うと、まったく知らない人が相手だとスターの一個をつけるのも緊張するようになってしまった。
最初のころ、そんなことはまったく考えずにスターをつけたり、ブコメもけっこう好き勝手に思ったことを喋り、いいなと思えば過去記事まで読み漁ってそこにもコメントをつけたりしていた。
でも……、これってどうなんだろう?? 一般的に考えて怖いのかな? などと、最近は色々と考えてしまう。
というのは、一回、自分がブコメをつけた途端、更新が止まってしまったブログがあるからだ。いや、偶然……なのかもしれないけれど…。
そうすると結局は、こちらがどういう考えでどういう風に行動する人間か分かっている人にしか、反応しづらくなってしまう。
もしくははてなでも読者が1000人以上いたり、長年ブログを書いている人ならば知らない人からの反応も慣れっこになっていると思うので、こちらも気軽にコメントをつけられる。
そうでない人にはいきなり見知らぬ人にスターやブコメをつけられるのって、道を歩いていていきなり「ねえねえ」って声をかけられる感じなのだろうか?
なんだ、こいつ馴れ馴れしいな。超こええ、みたいな……。どうなんだろう?
ここからは勝手な想像で書くけれど、ブログを公開した当初は「読まれたい」と思っていても、いざ実際に読まれて反応されると自分がこうだろうと思っていた「読まれたときの感覚」とは違うので、その違和感からやめてしまう人がかなりの人数いるのではないか、と考えている。
慣れの問題もあると思う。
最初は「赤の他人に読まれる」ということに新鮮さや驚き、違和感を感じても、長く続けたりPVが増えていくうちに慣れてくる人もいると思う。
でも中には、「自分が求めている読まれている感覚」以外の「読まれかた」にどうしても違和感を感じてしまう人がいるのかもしれない。
公開しているからと言って、「何が何でも読まれたい」わけではない。
そういう人は自分が違和感を感じない反応のしかたをされるならば、読まれなくても構わない、でも自分が違和感を感じない反応のしかたをしてくれる人の出現を期待してひっそりと公開しているのかもしれない、と思った。
この仮説が正しいとすると、相手によっては、自分が反応したいからと言ってむやみやたらに反応するのも考えなくてはいけないのかな…と思ってしまう。
自分から公開しているのだから、読み手がどう反応するかは読み手の自由だ、と自分も思う。別に消えても気にしないブログならばそう思うから気にしない。そもそも読まないし、読んでも反応しようと思わない。
でも「いいな」とコメントしたくなったブログが、自分の不用意な反応で消えてしまうのはすごく嫌だ。
そうすると「ブコメはやめたほうがいいのか?」「スターならいいのか?」「カラースターは重いかな?」「こっそり見ていたほうがいいのか?」「でも少しは応援したほうがいいのか?」「まずはスターから初めて、次の次くらいでブコメをつけたほうがいいのか?」「この過去記事面白かったからTwitterに上げたいけど、やっていいのか?」などと色々考えてしまう。
困ったことに自分が心の底からいい、コメントをつけたいな、他の人にも紹介したいなと思う記事を書く人は、たいていこういうタイプだ。
今まで何も考えないで、自分がいいと思ったら全力でスターを押したり感想を書いたりしていたので、一度考えだすと訳が分からなくなる。
それでも応援したい。でも本当に応援したいなら、相手によっては応援の仕方を考えなくてはいけないかなと思う。
距離感が難しいのは、現実でもネットでも一緒だね。
ほんと距離感とか考えるのが苦手なんだわ。
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