うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

【増田感想文】炎上狙いに炎上は意外と難しい……のかもしれない。

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顧客にとっての有能は後任にとっての無能(以下「創作増田」*1

 

この創作増田をどうして人気エントリに乗せられなかったのか分からない(以下「後増田」)

ふんだんに仕込んだ起爆要素がなぜ一つも起爆せず不発に終わったのか俺には分からない。

 と後増田に書いてあるので、「創作増田=後増田」でいいのだろうか?

 

「後増田」の末尾に「なぜなんだ?」と書かれているので、なぜ不発に終わったのかを読み手視点で自分なりに考えて答えてみた。

 

ひとつ目は、読み手にかかるコストが大きすぎる。

視点がすごくわかりにくい。

例えば後増田の文章の始まり(=タイトル)だ。

「この創作増田をどうして人気エントリに乗せられなかったのかわからない」だと、「自分が発見した面白い創作増田をバズらせようと頑張ったができなかった」という読み方(解釈)もできる。

 

「俺が作った渾身の創作増田が、なぜ人気エントリに入らなかったのかわからない」にしてくれると、考えるまでもなく「誰が何について語るのか」がすぐにわかる。(「創作増田が、自分のエントリが人気エントリにならなかった不満について語る」)

また「わからない」など「意見を聞きたいニュアンス」が含まれているタイトルだと、自分みたいな意見言いたがりはそれだけで喰いつく。(チョロい)

 

視点が固定されていないと、読み手がその視点を固定するコストをかけなければならない。それが面倒臭い人間はタイトルで離脱する。

1000人読んだら、980人は何も考えず「間違いなくこういう意味だろう」ととらえるものではないと、バズるのは難しいのではないか。(炎上の場合は、700人くらいが誤解するものでもいい)

 

「創作増田」の冒頭、

清掃業の話。

という始まりかたも同じだ。

第三者視点で話すのかな、と思いきや6行目で「俺」が出てくる。最初から「俺視点の話」だと分からないと、ここで視点を切り替えるコストがかかる。

 

バズを狙っておらず「面白いと思う人だけが読んでくれればいい」という場合は、「文章のわかりやすさ」だけを追求しなくてもいいと思う。(読み手にコストを負担させることで、「not for you」の人を離脱させる方法もある)

バズや炎上を狙うのであれば「読み手」を無制限に設定しなければならない。

読み手がかけるコスト(手間)はできるだけ削ったほうがいい。

創作増田も後増田も、自分にとっては「読むためのコスト」がかなり大きかった。

 

二つ目は対立構造が混乱している。

後増田の「起爆要素4」「エネミーが中年女性」となっているので、創作増田の対立構造は「増田VS中年女性(顧客)」と増田は考えている。(のだと思う。)

しかし創作増田のタイトル「顧客にとっての有能は後任にとっての無能」で、前任者を攻撃するものだ。

増田が考える対立構造とタイトルが示している対立構造が一致していない。

「対立構造が明確ではない」ことは、炎上するには大幅なマイナス要因になる。

 

三つ目は、増田は「後増田」で上げられている起爆要素と真逆のことをしている。

1「タイトルの主語が大きい」

大きいのではなく、主語が限定されていない。「誰にとっても無関係な話」で始まってしまっている。

 

2「偉そうな被差別者」

3「感情暴発型主人公」

「創作増田」も「後増田」も遠い客観視点から入るところから、増田は「偉そう」にも「感情暴発型」にも見えない。

さらに客観視点から入っているので、創作増田内の「俺」と増田が重ならない。

「第三者視点の増田の視点」で「俺の話」を見ており、さらに上記に書いたとおり対立構造が明確ではないので、感情が波立たず「へえ」で終わってしまう。

 

4「エネミーが中年女性」

は上に書いたとおり。

 

5「岩田先生の肯定」

評価が割れる人物よりも、「1000人読んだら900人は否定したくなる人物」を入れたほうが燃えやすい。

 

こうしたほうがもっと読み手が喰いつきやすくなるのでは、ということを読み手視点で書いてみた。

自分も書き手側に立ったときは、読んだ人がどこに反応してくれるか、どこを面白いと思ってくれるのかはまったく予測がつかない。

読み手視点で色々考えられたので、増田に感謝したい。

伝え方が9割

伝え方が9割

  • 作者:佐々木 圭一
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2013/03/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

*1:株式会社はてなのサービスのひとつ「はてなアノニマスダイアリー」の記事及び記事の書き手のこと。最近、増田が記事の読み手に対して「増田」と呼びかけるケースも見るので、そのうち増田の読み手も増田になるかもしれない。)