うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

「ドラゴンの目の論理パズル」を考えてみた。

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ドラゴンの目の論理パズルを知ったのだけど納得できない(納得できた)

 

自分も増田の「再再追記」を読んで納得できた。

腑に落ちるまで自分なりに考えてみたので、その過程をメモしておきたい。

 

(問題文)

ある村に100人の村民がいます。

全ての村民は非常に頭が良いし、論理的で間違った行動はしません。それを村民全員が知っています。

村民全員はこの世の人の目は青か赤の二種類であると知っており、それは事実です。

村には鏡も水面もガラスも無く、自分の目の色を確認する術はありません。

村民は一日一回全員が集合し、自分以外の全員の目の色を確認する機会があります。

もしも自分の目が青色だと確信した場合、その日の夜のうちに村から出ていかなければならない掟があります。

また、掟により村民同士で目の色について話すことは、禁止されています。

村民は掟を絶対に守ります。それを村民全員が知っています。

その村によそ者が一人来て「少なくともこの中に一人青い目の人がいる」と言って去っていきました。

さて、村民全員の目が青かった場合、どうなるでしょうか。

 答え*1

 

でも、よそ者の「少なくともこの中に一人青い目の人がいる」が起点になるのが納得できていない。

村民一人の立場となって考えた場合、残りの99人が青い目なのはすでに知っていた情報で、新しい情報ではない。

問題文が「この掟ができた場合」ならわかるんだけど、よそ者の発言が起点になる理由が知りたい。

掟ができても自分が青い目だと知らなければ(確信を持たなければ)、出ていく必要はない。「青い目なのに、なぜ出ていかないのか?」の理由は、「自分が青い目だと知らない(確信が持てない)から」だ。

増田のこの疑問で、「青い目の人間が、自分が青い目だと気づくのはどういう条件が揃ったときか」が問題の要点なのだと気づいた。

 

問題文の条件だと、「自分が青い目かどうか」は他の村民の行動から推理するしかない。 

村人が二人だとわかりやすい。

「少なくとも一人は青い目の人」なので、

①Aが青い目でBは赤い目

②Aは赤い目でBは青い目

③二人とも青い目

パターンは、この三つになる。

仮にAを主体とすると、AはBが青い目であることが初日でわかる。

Aにとっては、パターンは②か③しかない。

 

Aが赤い目ならば、Bは二日目に集合場所には来ない。

初日でAの目の色を確認しているので、Bにとって②Aは赤い目で自分は青い目であることは「確実」だ。村から出ていくはずだ。

しかしBは、二日目も一日一回の集合場所に現れる。

二日目にBが現れたことで、Aは②の可能性がないことを知る。

 

「Aが②の可能性はない」ということを知るためには、「二日目もBが村にいる」ことを知る必要がある。

別の言い方をすると、Aが自分の目が赤いか青いか知る方法は、「二日目にBが村にいるかいないか」というBの行動を見るしかない。

 

「青い目の人間が、自分が青い目だと気づくのはどういう条件が揃ったときか」を設問とすると、答えは「自分以外の人間が、目が青いにも関わらず村から出ていかない事実を確認すること」になる。

言い換えると「自分以外の人間が、『俺は赤い目である可能性がまだあると思っている』と知ること」だ。

 

なぜBは自分が赤い目である可能性を持てるのか?

条件が「少なくとも一人は青い目の人」なので、青い目の人間は一人でもいいからだ。

目の前に一人青い目の人間がいるうちは、「自分は赤い目の可能性」を持ち続けられる。

「自分以外の人間が『俺は赤い目の可能性がまだある』と思える条件」は、その人間の他に誰か青い目の人間がいることだ。

AとBの二人の場合、Aが赤い目でBが青い目であれば、Bにとっては「自分以外で青い目の人間」はいない。だから二日目にはいなくなっている。

二日目もまだいるということは、Bにとって「自分以外の青い目の人間」がいるということだ。この場合はAしかいない。

Aは二日目にBが村を出ていないことを知ることによって、「B以外の人間である自分も目が青い人間」と悟る。

だから二日目にAとBが二人同時に村から出ていく。

 

では人数が増えて三人になったらどうだろう?

 

三人ならば、

①Aが赤い目。BとCが青い目

②AとBが赤い目、Cは青い目

③AとCが赤い目、Bは青い目

④Bが赤い目、AとCが青い目

⑤BとCが赤い目、Aが青い目

⑥Cが赤い目、AとBが青い目。

⑦三人とも青い目。

の七パターンになる。

 

Aは①⑦、Bは④⑦、Cは⑥⑦をそれぞれ可能性として考える。

この時点で可能性があるのは①④⑥⑦になる。

 

二日目に三人がまた集合したとき、Aの視点に立って①「Aだけが目が赤い場合」と仮定する。

B(C)が「自らの目が青いことを知るための情報である、『自分以外の人間が、目が青いにも関わらず村から出ていかない(=自分以外の人間は俺は赤い目であると思っている)』を知ることになったため、自分の目が青いことを知る」となる。だから三日目にはBもCも村を出ていくはずだ。

ところが三日目もBもCも村から出ていかず集合場所に現れる。

BもCも三日目も「俺は赤い目の可能性がまだあると思っている」ことになる。

Aは自分の目は青いということを、三日目になってもBとCが村から出ていかないことで悟る。

そしてAと同じことがBとCにもあてはまるので、全員三日目に「自分の目が青い」ことに確信を持ち、村から出ていく。

人数が二人から三人に増えても、日数が増えるだけで同じことが起こる。

  

ここまで解体して、やっと「ああそういうことか」と納得がいった。

面白いパズルを紹介してくれた増田に感謝したい。

 

原文はドラゴンなのかな。集合したイラストが可愛い。

 

*1:「100日後に100人全員同時に村から出ていく」