前に書いたこの記事の続き、というか補足。
記事を書いたあとに思いついたことやキャラについて。
*創作の中の話に限定しています。書いてあることはすべて個人的な考えです。専門家ではないので、雑談程度に読んでください。
NTJ世界のシミュレーション「インベスターZ」
先日読んだ「インベスターZ」は、完全なNT系の世界だった。
主要登場人物ほぼ全員が、INTJかENTJだ。
NTJだけの世界はこんな感じかとよくわかる。
龍五郎、財前、美雪はENTJじゃないかと思う。慎二と神代がINTJ。
五人とも全員、「既存の権威」(親や大人)という理由だけでは従わないし認めない、(美雪がバフェットを尊敬したり、神代が投資部の伝統を重んじるのは、「権威だから」ではなく「結果を出しているから」だ。財前が小五のときの担任に「嫌いだから」と言われて、「別に僕も先生を嫌いだったからどうでもよかった」と答えたり、美雪が何の遠慮もなく「そう言われてどう思ったの?」と聞くところなどNTJの世界観全開だ。)
実力重視、情緒的なものは軽視したり不要ととらえる、独立独行の気概に燃えている、自分の理屈に合わないものをバカにしがちと根本にある気質はほとんど同じだ。
不動産対決のときの慎二のグダグダぶりは、普段余り出てこない内向感情に激しく揺さぶられたときのINTJらしさがよく出ている。(木型職人の木暮さんは、ISFPではと思う。)神代の慎二に対する反発、親に対する拒絶もそうだ。
美雪たちがさくらの家に行ったとき、さくらが「自分の家は美雪の家と違って小さくて狭いから恥ずかしい」と言ったときの美雪の答え「どうせ、将来お金持ちになるんだから、いまどこに住んでいるかなんて関係ない」というのは、NTJの世界ならではの答えだ。
F系にとっては、腐海並みに呼吸しづらい世界だ。
「かぐや様は告らせたい」生徒会の面々のバランスがいい。
アニメを見て、漫画を途中まで読んだ「かぐや様は告らせたい」。
生徒会の面々は
白金(ISFJ)、かぐや(INTJ)、藤原書記(ENFP)、石上(ISTJ)ではと思った。
かぐやと白金、石上が微妙にかみ合わず藤原書記が好き勝手にひっかきまわすバランスは、見ていて絶妙だ。
藤原書記は見ているだけで楽しい。あれだけ好き勝手やっていても憎めないのだから、EFP系はほんと得だ。
かぐや様は告らせたい?天才たちの恋愛頭脳戦? 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
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P系世界観「ゴールデンカムイ」
「ゴールデンカムイ」は前に少し書いたが、尾形がISFPだと思う。
勝手に勇作と重ねてアシㇼパを闇落ちさせようとするところなど、内向感情型は一人で思い込んで訳のわからない場所でいきなりスイッチが入って爆発する怖さがある。
本人は長々と色々なことを感じているけれど、外からはまったくわからないので「どうした? 突然」と思った瞬間に爆発に巻き込まれているところが、IFP系の魅力につながっている。(つながっている…と思う)
アシㇼパはENFJだと思った。
「ゴールデンカムイ」は構図が二転三転する自由で何でもアリのP系の世界観だけれど、キャラの人口分布はどうだろう?
TJ系価値観が嫌悪される「村上春樹作品」
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」のアカは典型的なINTJだ。他の人に言われるまで気づかなかった。
本人は普通に話しているつもりなのに、聞いている人間すべてを敵に回しそうな露悪的な話し方や話している内容(システム好きなのにシステムの中で生きられない。作る側に回る)もINTJの説明文のようだ。「ろくでもない連中から筋の通らない命令を受けたりすると、すぐに頭が切れちまう」は、非合理で、非効率的、無能な(と自分が思った)人間に忍耐も容赦もないINTJらしいセリフだ。
このシーンのアカとの会話を聞くと、多崎つくるがアカと本当に親しい友達だったか疑問に感じる。(アオもそうだが、アカのほうが特に)接点がほとんどなさそうだし、それ以上に存在が根本的に相容れなさそうだ。
アカのことを、つくるもアオもクロも批判的に見ている。バランスを取るためか「匿名で寄付している」なんていうベタでへたくそな擁護まで入っている。
アカのやっていることは褒められたことでもないが、犯罪でも何でもない。しかし村上春樹作品の世界では、そんな露骨な擁護を入れるくらい「悪」なのだ。
元々、村上春樹の世界観はTJ系の価値観にかなり厳しい、というより相容れない。
許容しているようでいて、すごく批判的だし嫌悪すら感じているのだろうと伝わってくる。「ノルウェイの森」の永沢さんはENTJだろうし、「国境の南、太陽の西」の義父はESTJだ。「スプートニクの恋人」の主人公の実家は、恐らく主人公以外がTJ系だったのだと思う。
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」や「1Q84」、「ねじまき鳥クロニクル」など「システムが仮想敵」の話が多いので、システム寄りのタイプ(NTJが作り、SJが機能させる)が割を食いやすいのは当たり前なのかもしれない。
村上春樹の作品の世界観はINFPの色が濃く、T系(特にTJタイプ)の人物は明確な悪役か、もしくは「物事がわからん奴」扱いされることが多い。
「1Q84」は村上作品では珍しい小松(ENTP)やタマル(ISTP)が出てくる。
「白痴」 INFJは、恋愛において厄介ではないか説
「白痴」を久しぶりに読んで、三角関係があそこまでこじれたのは公爵がINFJだからでは、と思った。
恋愛下手とよく言われるのは、INTJだ。
内向直観型は基本的に外界から隔絶された自分のイマジネーションの世界で生きているので、現実世界(事実そのもの)に興味がない。(自分の直観によって想起される概念に興味を持つ)
ただINTJは、第三機能の内向感情を揺さぶられたときに意外と動揺が激しいので「恋愛下手だけど、取っ掛かりは広いし恋愛すると楽しいのでは」と自分は思っている。(付き合った相手には「かわいい」と思われていそうだ。かぐやをみるとわかりやすい。)
INFJは愛情が、「人類愛」や「崇高な理念」みたいな枠組みが大きなところにいってしまう。
「自分も他人も後回し」で、「人類全体」や「未来」「理想」にいってしまうので、恋愛という個人的なものとは接点が持ちにくい。愛情自体はあるので対立軸が見えにくく、他タイプが不満を訴えても話が噛み合わない。
「白痴」のクライマックスシーンは、個人的な恋愛感情をぶつけるアグラーヤに対して、人間愛を訴える公爵というかみ合わなさから、地獄のような模様になっている。
INFJ(やENFJ)と恋愛をする場合は、ヤンとフレデリカの関係のように、他タイプがINFJの理想についていくという形にしないと成り立たないかもしれない。
独り占めはできない、と割りきるしかない。
相手がINFPだとスゴいことになりそうだ、というのが、「白痴」や「カラマーゾフの兄弟」のアリョーシャとリーズの関係を見るとわかる。
試し行動→訳が分からず通じない→試し行動エスカレート→受け止めているつもりでまったく通じてない→さらにエスカレートのように、双方にとって地獄のような恐ろしい関係になる。
強そうなので集まって人狼ゲームをやってみて欲しいという面子を考えたら、ほとんどNTJ系だった。
ENTPも強そうだが。SP系は途中で飽きそう。(そもそも興味を持たなさそう。)