うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

2020-01-01から1年間の記事一覧

ノーベル賞作家が描く殺人という運命。ガルシア=マルケス「予告された殺人の記録」

犯人が誰かはわかっていた。 犯人が殺害を決意していることを、町中のほとんどの人が知っていた。 どうやって殺そうとしていたかも知っていた。 なぜ犯人が相手を殺すのかも知っていた。 犯人自身が話していたからだ。 それにも関わらず、被害者は犯人によ…

【小説感想】高橋克彦「炎立つ」は、「この歴史の先に現代がある」ことを実感させてくれた。

高橋克彦の「炎立つ」全5巻を読み終わった。 炎立つ 全5冊合本版 (講談社文庫) 作者:高橋克彦 発売日: 2017/08/18 メディア: Kindle版 傑作と名高いのもうなずける。 すごい話だった。 「炎立つ」は、異なる年代の主人公三人の話を通して、奥州藤原氏の勃…

【ファイナルファンタジータクティクス】キャラについての雑談・続き

www.saiusaruzzz.com この記事について、もう少し話したいことが出てきたので続き。 ディリータは、オヴェリアにティータを重ねているのか。 前の記事に入れようか悩んでやめたけれど、やはり書きたくなった。 単に自分の考えを書きたいだけで違う見方を否定…

【漫画感想】藤村真理「少女少年学級団」子供たちの描写が魅力的だからこその贅沢な不満。

余りの面白さに、全9巻大人買いしていっき読みしてしまった。 [まとめ買い] 少女少年学級団 作者:藤村真理 メディア: Kindle版 どこかで見たことがある絵だと思ったら、「きょうは会社休みます。」と同じ作者だった。 連載時期がかぶっているんだけど、二作…

英国離脱の意味とEUの行く末を考える 「問題は英国ではない、EUなのだ ‐21世紀の新・国家論‐」

「ソ連の崩壊」や「アラブの春」を予見したエマニュエル・トッドが、EUの現状と今後を考えた本。 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論 (文春新書) 作者:エマニュエル・トッド 発売日: 2016/09/23 メディア: Kindle版 斜めな視線で読み出したけ…

【増田感想文】炎上狙いに炎上は意外と難しい……のかもしれない。

顧客にとっての有能は後任にとっての無能(以下「創作増田」*1 この創作増田をどうして人気エントリに乗せられなかったのか分からない(以下「後増田」) ふんだんに仕込んだ起爆要素がなぜ一つも起爆せず不発に終わったのか俺には分からない。 と後増田に書…

小説版「犬鳴村」を読んで、「怖い」という感覚はどこから来るのか話したくなった。

映画化されて話題になっている「犬鳴村」の小説版を読んだ。 犬鳴村 [小説版] (竹書房文庫) 作者:久田樹生 出版社/メーカー: 竹書房 発売日: 2020/01/16 メディア: Kindle版 話としてはよくできていて、特に引っかかりもなくすらすら読めた。 怖さを求めて…

【「炎立つ」キャラ語り】「世界を変える異能を持ちながら、性格は小者」源頼義の人物像が面白い。

「炎立つ」第一部の粗筋は、俘囚と理不尽に蔑まれながらも、必死に自分たちの民や国を守る阿倍氏の領土に、朝廷や源氏が自分たちの欲望や保身のために攻め込むというものだ。 個人的には主人公サイドである阿倍氏陣営よりも、敵役である源頼義陣営のほうがず…

【「炎立つ」キャラ語り】世界が強いる「物分かりいい症候群」と戦う流麗がカッコいい。

前九年の役、後三年の役、奥州藤原氏の隆盛と滅亡がわかりやすく描かれている。 大河ドラマでも屈指の名作と名高い、「炎立つ」の小説版を読んでいる。 炎立つ 壱 北の埋み火 (講談社文庫) 作者:高橋 克彦 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1995/09/06 メデ…

(たぶん)ENFJに会った。

タイプ論は、自分にとって「よくわからん」と思う相手と話すときに違う視点を与えてくれるので、日常でも心の中で使っている。 専門家ではないので、実在の人にはその判断を口にしないよう、決めつけないように気をつけている。この話もフィクションとして読…

「ドラゴンの目の論理パズル」を考えてみた。

ドラゴンの目の論理パズルを知ったのだけど納得できない(納得できた) 自分も増田の「再再追記」を読んで納得できた。 腑に落ちるまで自分なりに考えてみたので、その過程をメモしておきたい。 (問題文) ある村に100人の村民がいます。 全ての村民は非常に…

【アニメ感想】「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」を四話まで見た。

魔法少女まどか☆マギカの外伝の「マギアレコード」を四話まで見た。 第01話『やぁやぁ、知ってる?魔法少女のその噂』 発売日: 2020/01/05 メディア: Prime Video ゲームは未プレイなので、今後もネタバレなしで楽しむ予定。 四話まで見た段階では、「まどマ…

作品を解体して考える。新海作品の大地は丸く、思考しているのか。

「レヴィ=ストロース入門」を読んだ。 レヴィ=ストロース入門 (ちくま新書) 作者:小田亮 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2013/11/08 メディア: Kindle版 レヴィ=ストロースの思想や業績がわかりやすくまとめられている。 「神話論理」で書かれている…

【PS4】超初心者のための「アンセスターズレガシー」手製攻略本(画面の見方&操作編)

アンセスターズレガシー - PS4 【CEROレーティング「Z」】 作者: 出版社/メーカー: DMM GAMES 発売日: 2019/12/19 メディア: Video Game 中世ヨーロッパを舞台に、実際にいた部族や集団を動かして戦闘を楽しむリアルタイムストラテジー「アンセスターズレガ…

【漫画感想】「シグナル100」に見る、デスゲームというジャンルの難しさ。

*ネタバレしています。 橋本環奈主演で映画化が決定した「シグナル100」を読んだ。 全四巻でサクッと読める。 [まとめ買い] シグナル100 メディア: Kindle版 学級崩壊したクラスで「下僕」としてバカにされ続けていた担任が、生徒たちに後催眠をかけて生き…

小部隊の戦術学が楽しく学べる「愚者の渡しの守り タイムループで学ぶ戦術学入門」感想

愚者の渡しの守り: タイムループで学ぶ戦術学入門 作者:アーネスト・スウィントン 出版社/メーカー: 国家政策研究会 発売日: 2018/03/25 メディア: Kindle版 経験が浅い青年士官が本隊が来るまで、河の唯一の渡河地点「愚者の守り」を50名の小部隊を指揮して…

【2020年男子バスケ天皇杯雑感】千葉ジェッツの早々の敗退にがっくり、辻の復活が嬉しい、比江島がんばれなど。

2020年のバスケ天皇杯の雑感。 今年は千葉ジェッツが早々に敗退したため、モチベーションがガタ落ちしており準決勝から視聴した。 千葉の次に応援しており、今年は中地区で敵なしの川崎対あいも変わらず強い宇都宮の好カード。 試合前に実況者が「辻にかかる…

久しぶりに新しいゲームがやりたくなったので、何を購入するか検討してみた。

「十三機兵防衛圏」が余りに評判がいいので、買おうか悩んでいる。 最初に見たとき8000円弱だったので、待っていたらそのうち下がるだろうと思い今日見たら……。 一万円近くまで値上がりしていた…。 ダイニンキナンデスネ…。 さすがに一万円は高い…。貧乏です…

【漫画感想】「カリスマ」は、予想していたのとは違うテーマで面白く読めた。

[まとめ買い] カリスマ(アクションコミックス) メディア: Kindle版 *ネタバレしています。 内容は予想通りだったけれど、力点の置かれ方がぜんぜん違っていた。 「なぜ、外から見ると異様とも思える組織に、人が心酔してしまうのか」 「こういう組織の中…

【ファイナルファンタジータクティクス】キャラについての雑談。オヴェリア&ディリータ、アルガス、ガフガリオン。

年末に「突撃軍曹」を聞きながら作業をしていたら、突然語りたくなったので話したい。 オヴェリア&ディリータの関係について この二人はお互いにそれなりに好意はあると思うのに、お互い、相手をまったく見ておらず、会話が噛み合っていないのが初プレイの…

「ゆく年くる年」で有名な京都の知恩院で、三時間並んで除夜の鐘をきいてきた。

*本記事は2019年から2020年にかけての様子のレポートです。 「ゆく年くる年」でよく出てくる京都の知恩院で、除夜の鐘をきいてきた。 初めて行くけど、どんな感じなのか? どれくらい並ぶのか? という人のためにレポートを書いておきたい。 知恩院三門のす…