うさるの厨二病な読書日記

生涯中二の着ぐるみが、本や漫画、ドラマなどについて好きも嫌いも全力で語ります。【ネタバレ前提です。注意してください】

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小説

気軽に読める退廃的な世界名作文学 おすすめ10選

要約本じゃ物足りないけど長編読むような体力もない。(中略)気軽に読める退廃的な作品はないものか。 「気軽に読める世界名作文学」という題の増田の記事に答えてみました。 「退廃的な」は、「道徳的要素が少ない、もしくはない」「救いがない」を基準に…

【小説】 5分でわかる「カラマーゾフの兄弟」

「はじめに」 「超おおまかなあらすじ」 「登場人物」 (カラマーゾフ家) (ヒロインたち) (修道院の僧たち) (その他) 「わりと細かいあらすじ」 「カラマーゾフの兄弟」のテーマ 「はじめに」 ドストエフスキーの小説が、なぜ分かりにくいのか、二点…

「機動戦士ターンAガンダム」の小説版 福井晴敏「月に繭 地には果実」に物申したい!……と思ったけれど。

「機動戦士ターンAガンダム」のノベライズ、福井晴敏の「月に繭 地には果実」を読み終えた。 以下、アニメと小説のネタバレがあります。 月に繭 地には果実〈上〉 (幻冬舎文庫) posted with ヨメレバ 福井 晴敏 幻冬舎 2001-08-01 Amazon Kindle とにかくキ…

「正しさの暴走」の抑止力としての「真っ当さ」

www.saiusaruzzz.com この記事からの派生余談。余りまとまっていないけれど、思いつたまま書いていく。 「パトレイバー」の記事で、「真っ当さ」が、今後増えるだろう「愉快犯的悪」や「愉快犯的アジテーター」への唯一の対抗手段ではないか、という話をした…

三毛別羆事件を描いた吉村昭「羆嵐」は、ノンフィクションノベルの傑作だ。

大正4年の冬に北海道の三毛別で起こった「三毛別羆事件」は、日本最大の獣害として名高い。 三毛別の川の支流である六線沢に体長三メートル近い巨大な羆が出現し、家の中に侵入して人を襲った事件だ。 「羆嵐」は、実際に起きたこの事件を元にしており、そ…

白神山地で十二湖散策→八甲田山ロープウェイ→奥入瀬渓流を旅行したので、関連書籍と一緒にご紹介。

お盆休みはリゾートしらかみに乗って秋田から青森、次いで八甲田山、奥入瀬渓流を旅行してきました。 自分は旅行に行くと「電車の接続はうまくいくのか」「バスには乗れるか」「車で行ったら、駐車場に止められるか」「現地は暑いのか寒いのか、どんな服装で…

【小説】何回読んでも面白い! 綾辻行人「館シリーズ」の個人的ベスト5

生存しているミステリー作家の中では一番好きな、綾辻行人の「館シリーズ」のベスト5を選んでみました。 犯人そのものは書いていませんが、トリックに多少触れている部分があります。 未読の方は、閲覧にご注意ください。 第5位 迷路館の殺人 鹿谷門実のデ…

物語世界の謎を解くことを楽しむ「世界解明系の物語」 みんなのおススメ作品リスト

「世界の謎を解く物語」でおススメのものを聞いてみた。 ジャンルが不明確なので探しづらかった。 「世界解明系物語」愛好家のためにリストにした。 「世界解明系の物語」みんなのおススメ作品リスト 小説(日本SF) 小説(日本ホラー) 小説(ライトノベル…

グロくて不気味な短編集 小林泰三「肉食屋敷」が面白かったのでおススメしたい。

小林泰三「肉食屋敷」を読了した。 本書は短編集なのだが、四つの短編が収められている。どれも若干グロくて暗い世界観という共通項はあるものの、ジャンルや読み味が微妙に違うので、まったく飽きずに読める。 肉食屋敷 (角川ホラー文庫) 作者: 小林泰三 出…

「ロードス島戦記」ってラノベじゃないの? ライトノベルについて色々と考えた。

「ロードス島戦記」はラノベじゃない? togetter.com 先日、これを見てびっくりした。 「ロードス島戦記」ってラノベじゃなかったのか???( ゚Д゚) 少し前に、ある記事に「古いけど、ロードス島戦記はラノベの中でも、色々な人に薦めやすい」とブコメしたば…

「おとうさんはおかあさんが殺しました。おねえさんもおかあさんが殺しました…」 深木章子「鬼畜の家」感想

深木章子の「鬼畜の家」を読んだ。 「鬼畜の家」あらすじ 元刑事で私立探偵を営む榊原は、知人を介して、保険金にまつわる事故の調査を依頼される。依頼主である少女・由紀名から聞かされた話は、とてつもなくおぞましいものだった。 事故死した母親は、金の…

【ネタバレあり】宮部みゆき「火車」は、クレジットカードを持つ前の十代に読んで欲しい小説。

仕組みを知らずにローンを利用するのは怖い。 ネットを見ていると消費者ローンの仕組みを知らないで、リボ払いなどを利用して、のちのち高額な手数料を払っていることに気づいたり、返すのに長い年月がかかったという話を目にする。 新卒で入社した会社の後…

【ネタバレあり】漫画版「うみねこのなく頃に」Episode8が素晴らしかったので、いいところも悪いところもまとめて語りたい。

漫画版Episose8では、猫箱の底まで描かれている。 漫画版「うみねこのなく頃に」Episode8を読了した。 うみねこのなく頃に散 Episode8:Twilight of the golden witch(9)(完) (ガンガンコミックスJOKER) posted with ヨメレバ 竜騎士07,夏海 ケイ スクウェア…

【閲覧注意】人類が消えた5000万年後の地球「アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界」の感想

*この記事には、人によっては気持ちが悪いと感じるかもしれない画像を載せています。苦手なかたはご注意ください。 「進化とは何か?」という説明がわかりやすい。 5000万年後の生物たち 樹木上に住むリス、チリット 砂漠を這いずるデザート・シャーク 樹木…

J・D・サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の本当の恐ろしさ。

「翻訳(ほとんど)全仕事」を読んだ。 村上春樹の「翻訳(ほとんど)全仕事」がとても面白かった。 村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事 posted with ヨメレバ 村上 春樹 中央公論新社 2017-03-17 Amazon Kindle 本当に「翻訳」が好きなんだなあと伝わってくる。…

「ティーンズ・パンタクル」Kindle版発売記念。ゲームブックの神・鈴木直人について全力で語る。

以前、このブログの記事でも紹介したゲームブック「ティーンズ・パンタクル」がKindleで発売されたので、さっそく購入してやってみた。 ティーンズ・パンタクル (幻想迷宮ゲームブック) 作者: 鈴木直人 出版社/メーカー: 幻想迷宮書店 発売日: 2017/03/21 メ…

【ネタバレ注意】仲間由紀恵主演ドラマ「そして誰もいなくなった」を、原作と比較しながら感想を述べたい。

2017年3月25日(土)26日(日)に二夜連続で放送された、仲間由紀恵主演ドラマ「そして誰もいなくなった」の感想及び、原作との相違点についてなどを語ります。 www.tv-asahi.co.jp 原作及びドラマのネタバレをしています。未読未聴の方はご注意ください。…

親から受け継いだ呪いからどう逃れ、どう生きるのか。マイケル・ギルモア「心臓を貫かれて」

本書は村上春樹が訳したことで、広く流布された。 もともとは村上春樹の奥さんが読み、「すごい本だから、ぜひ読んで訳して欲しい」と勧めたらしい。 自ら望んで死刑になった殺人犯ゲイリー・ギルモア 地獄のような家庭環境 両親から受け継がれる、呪いの連…

プロが、どんな風に小説を書いているのかが具体的にわかる「五代ゆう、榊一郎の小説指南」

富士見長編小説大賞を受賞し、現役のライトノベル作家として活躍している五代ゆうと榊一郎が、編集者を交えて対談形式で小説の書き方を語っている本です。 二人はライトノベル作家なので、主に「ラノベを書くにあたって」という態で語っているのですが、どん…

【「破妖の剣」完結記念】前田珠子にみる、物語の設定を自ら破壊してしまう長編に向かない作家像。

子供のころから読んでいた「破妖の剣」が完結した 先日、コバルト文庫で長い間、巻を重ねてきた「破妖の剣」シリーズがついに完結したという話を聞いた。 破妖の剣6 鬱金の暁闇30 (集英社コバルト文庫) 作者: 前田珠子 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017…

物語における「信頼のできない語り手」の技法と、語り手としてのブロガー考。

「信頼のできない語り手」とは。 「信頼のできない語り手」という技法を用いている物語があります。 主に推理小説やサスペンス、ホラーなどのジャンルに用いられる技法です。 「信頼のできない語り手」に物語を語らせることによって、物語自体にトリックを…

【ネタバレ注意】ミステリーのホワイダニットの構造について&おすすめの「ホワイダニット」ミステリー

先日、購読しているねこさんのブログ「僕の猫舎」で、こんな記事を読ませていただいた。 tsurezurenarumama.hatenablog.com 聖書の「カインによるアベル殺害」が最古の倒叙法で書かれたホワイダニットではないか、というのは非常に面白い考えだなと思った。…

狂気のゲーム「ムーンライトシンドローム」にみる、謎ときコンテンツの面白さ

狂気のゲーム「ムーンライトシンドローム」の面白さ このブログで何度か紹介している「ムーンライトシンドローム」というゲームがある 。 ムーンライトシンドローム 出版社/メーカー: ヒューマン 発売日: 1997/10/09 メディア: Video Game 購入: 1人 クリッ…

「人間の真価は自分自身でさえギリギリまで分からない」。「銀河英雄伝説」ウォルター・アイランズから学ぶ。

ウォルター・アイランズは権力機構にひそむ寄生虫だった。 田中芳樹の大人気SF小説「銀河英雄伝説」に、ウォルター・アイランズという登場人物が出てくる。 (引用元:「銀河英雄伝説」©田中芳樹/徳間書店) 「銀河英雄伝説」は、専制君主国家である銀河帝…

言葉の力を持たない人間は、この世界でどう生きればいいのか? 桜井晴也「世界泥棒」

「面白いよ」と紹介してもらった。 先日、何年かぶりに読んだ文藝賞受賞作「月の裏まで走っていけた」の記事を書いたとき、はてなではお馴染みのピピピピピさんからこんなブコメをいただいた。ありがとうございます! 社会の中で生きられない人間は、殺され…

社会の中で生きられない人間は、殺されて当然の虫なのか?? 雨森零「月の裏まで走っていけた」

十七、八のころ、一度だけ読んでずっと心に残っていた物語。 作者の雨森零は二十四歳のときに「首飾り」で第31回文藝賞をとり、その二年後に本作を書いた。 そしてそれ以後、表舞台では何も書いていない。 この作品を最後に、どこかに消えてしまった。 こ…

【ダークファンタジーの傑作】 「ゲーム・オブ・スローンズ」 シーズン5「竜との舞踏」あらすじ&ネタバレ感想

海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン5のあらすじ&ネタバレ感想です。 前回シーズン4「戦乱の嵐ー後編ー」のあらすじ&ネタバレ感想はコチラ↓ www.saiusaruzzz.com シーズン5「竜との舞踏」あらすじ 「北部の動向」 野人との戦いにからくも勝…

「自分が何者かわからない」悲惨さを、「ゲーム・オブ・スローンズ」のシオン・グレイジョイに学ぶ。

相も変わらず、空いている時間は「ゲーム・オブ・スローンズ」を見ています。 現在、シーズン5の第5話まで見終わりました。 あらすじや感想を書いている記事はコチラ↓ www.saiusaruzzz.com ところでこの「ゲーム・オブ・スローンズ」という物語の中で、気…

【ネタバレなし】結末に絶対に驚く 犯人が意外なミステリー5選

ミステリーの醍醐味は謎が鮮やかに解明されること ミステリーの最も大きな醍醐味と言えば、 「最初に提示された謎が鮮やかに解かれる」 「なおかつ、その解答が非常に意外なもので驚かされる」 そのため大きなカタルシスが得られる点だと思います。 今回は物…

ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作「氷と炎の歌」がすさまじく面白いので、全力でおススメしたい。

先日、注文したドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作、「氷と炎の歌」の一巻「七王国の玉座(上下巻)が届きました。 (引用元:「七王国の玉座」ジョージ・R・R・マーティン ハヤカワ文庫) 今は、空いている時間は「ゲーム・オブ・スローンズ」を見て…