歴史
先日、「書評」が話題になっていたので、「書評を読んで読みたくなった本」を上げてみようかと思いたった。 読売新聞の「書評欄の読書委員が選ぶ『2021年の三冊』」を読んで読みたくなったもの、その中で「特に読みたくなったベスト3」を選んでみた。(青字…
近代言語学の父、構造主義の祖と言われるソシュールの思想の細かい部分は、専門家ではない自分には、難しすぎてほとんど理解できない。 自分が理解した限り構造主義に大きな影響を与えたと思われるこの発想、 人間は言葉によって概念を区切って、その認識を…
昨夜「青天を衝け」の第40回を見て感動した勢いにのって、出演者のインタビューを読んだ。 主人公・栄一の幼馴染みで生涯の友だった喜作を演じた、高良健吾のインタビューが面白かった。 Q:栄一と喜作の関係をどのように思いますか? 基本的に喜作は栄一に…
ラスト近くなって、若干駆け足かなと思っていたが、それでも十分面白い。 若いときから水戸学に傾倒して国を救うことに心を燃やしていた惇忠が、人生の最後で慶喜と対面したシーンには感動してしまった。 「自分の人生の意味」をはっきり認識できた、という…
そう言えば、ロシアの歴史はロマノフ朝→革命→ソ連成立→スターリンの独裁→ソヴィエト崩壊→ロシア成立くらいのざっくりした知識しかないな、と思い「ロシアの歴史」を通して学んでみようと思い二冊読んでみた。 名称通り、ざっくりした流れだけを知りたいなら…
www.saiusaruzzz.com (前提)「秒速5センチメートル」がこういう話に見える、自分の思いつきの話。 補陀落渡海は、入口を塗りこめた箱を舵のない船に積んで、そこに人が入り極楽浄土を目指して沖に流すという風習だ。 補陀落渡海 - Wikipedia 補陀落渡海を…
タイトルは一度言ってみたかっただけの出落ちです。すみません。 最初の授業 はてブのホッテントリで「ガウェインの結婚」の話が上がっていた。 「すべての女性は自分の意志を持つことを望んでいる」ここが、基本ですよ。 まあ、少なくとも、ガールフレンド…
江森備「私説三国志 天の華・地の風」を読み終わった。 「三国志」の流れをしっかり辿っているのはもちろん、政治や戦だけではなく、この時代の習俗や文化が詳しく描かれている。 諸葛喬が死んだときの葬式の様子など、どの立場の人間がどのような服装をして…
*本記事にはアニメ「巌窟王」のネタバレが含まれています。 アニメ「巌窟王」を観終わった。 www.saiusaruzzz.com 「父母の人間関係に巻き込まれただけのアルベールから見たら、伯爵の復讐譚はどう見えるのだろう?」という疑問に答えつつ、ただの改変では…
今読んでいる「グイン・サーガ」×増田で「鶏肋」の話が出てきた相乗効果で、突然「天の華・地の風」のことを思い出したので、どうなったか見にいった。 全十巻で完結していた。 Amazonで九巻のレビューを見ると凄いことになっているとのことなので興味がわい…
2021年8月22日に放送されたNHKスペシャル「ミャンマー衝撃の映像」を見た。 市民たちがそれぞれ取った、動画や写真をつなぎ合わせて状況を把握する試みをしている。 ネットも軍の監視を受けて情報統制が行われているらしいので、それをかいくぐった貴重な映…
ジャック・ラカンの思想を年代ごとに追う向井雅明「ラカン入門」を読み終わった。 ラカン入門 (ちくま学芸文庫) 作者:向井雅明 筑摩書房 Amazon この本を読む前にラカンについて知っていたこと。 ラカンは構造主義の代表的な一人と言われる精神分析家で、当…
「天安門事件」に関わった人たちへのインタビューを集めた「八九六四 完全版」を読み終わった。 八九六四 完全版 「天安門事件」から香港デモへ (角川新書) 作者:安田 峰俊 KADOKAWA Amazon この本を読もうと思ったのは、「天安門事件は名前は知っているけれ…
天安門事件に当時関わった人をインタビューして、参加者の生の声やその後の人生から「天安門事件」を浮かび上がらせようとする「八九六四完全版 『天安門事件』から『香港デモ』へ」を読んでいる。 八九六四 完全版 「天安門事件」から香港デモへ (角川新書)…
立花隆の訃報を聞いて、今まで読んだ立花隆の本のことを思い出した。 「東大生はバカになったか」は、内容はともかく語り口が余り好きになれなかった記憶がある。 実際の講義を元にしている「脳を鍛える」のほうが面白かったと思い、探したら家にも「脳を鍛…
前から観たかった「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」を見た。 最初にまとめ的な全体の感想を書き、次に個々のお題についての自分が興味を持った部分のメモと感想。 *各種話の内容や引いた思想の内容は、自分が理解した限りです。正確な内容は自分で…
凄く久しぶりに「観終わったあと、一週間後の放送が楽しみな感覚」を味わっている。 大河ドラマ「青天を衝け」|NHKオンライン 日曜日の八時にはテレビの前に正座待機するくらい面白い。 一体何がそんなに面白いのか、考えてみた。 一番大きい要素は、主人公…
ジジェクからラカンに興味を持った www.saiusaruzzz.com この本に出てきたスロヴェニアの哲学者にして精神分析家のスラヴォイ・ジジェクに興味を持って調べたら、ラカンの娘婿から精神分析を学んだ「ラカン派の精神分析家」であることがわかった。 そういえ…
江戸文化から見る 男娼と男色の歴史 発売日: 2019/08/20 メディア: Kindle版 同じ作者の「江戸を賑わした色町文化と遊女の歴史」と合わせて購入。 「男色が江戸時代、一般的にどういう位置づけだったか?」や男娼の歴史、男娼を斡旋する陰間茶屋はどこに存在…
「グノーシス主義」の本で読んだ二冊目だけれど、先に本書を読んだほうが良かった。 前回読んだ「グノーシスの神話」は、それぞれの派閥の神話の内容を見ていく本で「グノーシス主義」の分布や歴史の全体像は掴みにくかった。 それに対して本書は、「グノー…
「グノーシア」の元ネタになった「グノーシス主義」を知りたくて、「グノーシスの神話」を読んでみた。 グノーシスの神話 (講談社学術文庫) 作者:大貫 隆 発売日: 2014/05/10 メディア: 文庫 *先にこちらを読んだ方がいいかもしれない。 www.saiusaruzzz.co…
昨日、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の最終回を見た。久しぶりに大河ドラマを完走した。 最初に感想を言うと「イマイチだった」 自分が「このドラマはここがいいな」と思う部分と「そこはどうだろう?」と思う部分の力点の置かれ方が、特に後半は真逆だったと…
昭和13年、岡山県の現加茂町で起こった「津山三十人殺し」。 たった一人の人間がひと晩で同じ集落の人間33人を殺害した事件で、様々な創作でモチーフとして使われている有名な事件だ。 松本清張が関係者の実際の証言や供述を基にして、事件の構図を探ってい…
「ヨーロッパで最も重要な作家の一人」「ノーベル賞を十回受賞してもおかしくない作家」と海外では高い評価を受けている、アルバニアの作家イスマイル・カダレの「誰がドルンチナを連れ戻したか」を読んだ。 あらすじ 三年前に遥か遠くの国に嫁ぎ、それ以来…
こんな状況だからかもしれないが、久しぶりに「グレートジャーニー」全5巻が読みたくなり、のんびりと読んだ。 グレートジャーニー 人類5万キロの旅 1 嵐の大地パタゴニアからチチカカ湖へ (角川文庫) 作者:関野 吉晴 発売日: 2010/01/23 メディア: 文庫 …
突然、読みたくなって遠藤周作の「沈黙」を読んだ。 沈黙(新潮文庫) 作者:遠藤周作 発売日: 2013/03/01 メディア: Kindle版 初めて読んだのは学生時代なので、十何年ぶりだ。 学生時代に読んだときは、最後の結末に強く衝撃を受けた。こんなに残酷なことが…
「ホロコーストを引き起こした至上最悪の偽書」と呼ばれる「シオン賢者の議定書」が生まれる過程と、それが広まった憎悪のメカニズムを描いたウンベルト・エーコの「プラハの墓地」を読んだ。 プラハの墓地 (海外文学セレクション) 作者:ウンベルト・エーコ…
1960年10月12日に日比谷公会堂で起こった、17歳のテロリストによる日本社会党党首・浅沼稲次郎刺殺事件について描かれたノンフィクション。 テロルの決算 作者:沢木耕太郎 発売日: 2014/01/24 メディア: Kindle版 面白いノンフィクションは、膨大な資料や関…
今までも普通に面白いとは思っていたけれど、どちらかと言うと斜めな視線で見ていた。 ドラマだとしても、さすがに個人的な関係や個人の動向で物事が動きすぎだし、登場人物のモチベーションが「個人的なもの」が多いことも気になった。信長の「人の役に立っ…
真昼の暗黒 (岩波文庫) 作者:アーサー ケストラー 発売日: 2009/08/18 メディア: 文庫 スターリンの時代に行われた、モスクワ裁判をモデルにした本。 党の最高幹部であり英雄だったルバショフは、「党を裏切り、ナンバーワンの暗殺をもくろんだ」という嘘の…